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紛争下の性暴力防止に関するグローバル・サミット開催

参加各国は犯罪者の訴追と被害者支援を公約すべき

(ロンドン)紛争下の性暴力防止に関するロンドン・サミットは、戦時下の強かん防止に向けた国際的な取り組みを強化する画期的な機会である。各国政府は2014年6月10日から13日まで開かれる今回のサミットを機に、性暴力の不処罰、サバイバー支援、強かん防止に関する踏み込んだ公約を行うべきだ。

今回のロンドン・サミットは、英国のヘイグ外相による2年越しのキャンペーンの成果だ。同外相は武力紛争下で性暴力が広範に用いられている実態に警鐘をならしてきた。今回のサミットには、各国政府、国連機関、活動家、ドナーが参加予定。性暴力の防止・対応を協議する会合としては最大規模となる予定だ。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの女性の権利局長リーズル・ゲルントホルツは「紛争下では甚だしい人的犠牲が生じるが、女性と少女は特に大きな被害を受ける。彼女たちはあらゆる当事者から性暴力被害に遭い、保護を求める場所がないことが多い」と、述べた。「ロンドン・サミットを成功と評価するためには、戦時下の強かん被害を防止するとの公約を、各国政府が具体的な行動に移さなくてはならない。」

ソマリアマリギニアコロンビアの人権活動家はヒューマン・ライツ・ウォッチの代表団と共に各国政府との会合に臨み、個人的な体験を語った。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、アフガニスタン中央アフリカ共和国、コロンビア、コンゴ民主共和国コートジボワール、ギニア、リビア、ソマリア、スリランカシリアでの政府軍及び武装組織による紛争下の性暴力を調査・記録してきた。犯罪者の責任を追及し、被害者に医療を提供し社会復帰を支援する取り組みは依然不十分である。

紛争国は性暴力に関与した者について、指揮官を含めて、逮捕・訴追することを明確に表明すべきだ。さらに強かん被害者に医療・社会・心理面での支援を提供すべきだ。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、コンゴで集団強かんなど様々な性暴力が多数発生していることを調査・記録している。コンゴ東部で性暴力事件が広がっているが、実行犯だけでなく部隊指揮官の法的責任を追及しなければ、この問題は解決しない。

政府高官は、兵士、職員、戦闘員、司令官に対し、強かんを犯せば大きな代償を支払うことになるとの強力かつ明確な警告を送るべきだ。コンゴ政府は新たな法的メカニズムを設置し、性暴力など国際法上の重大犯罪の疑いがある人物を逮捕し、公正で信頼のおける裁判で訴追するようにすべきだ。政府が特別混合法廷の設置を提案したのは大きな前進であり、国際的な支援が行われるべきだ。

ソマリアにて、ヒューマン・ライツ・ウォッチは2011年から、首都モガディシオの避難民キャンプでの女性と少女への性暴力を調査・記録している。キャンプは戦闘で住むところを追われた人びとのために設置された。 ソマリア連邦政府は治安部隊員らによる性暴力を防止し、実行犯とその上官らの責任を追及する実効性のある措置を取るべきだ。まずは最優先事項の一つとして、ソマリア政府は政府治安部隊と情報部員に対し、性暴力を訴えた被害者への報復を絶対に行わせないようにすべきだ。2013年には性暴力を訴えた3件の事件で報復が行われ、大きな注目を浴びた。

国際社会はこの間、性暴力の蔓延についての認識を深め、対策を取ってきた。紛争下の強かんは戦争犯罪及び人道に対する罪として訴追される。国連安全保障理事会は2008年に決議を採択し、広範または組織的な性暴力を解決するため「適切な手段を取る」意思を表明している。安保理決議第1820号は全当事者に対し、武力紛争下および紛争後の状況下での性暴力被害者への持続的な支援を提供するよう促している。

前出のゲルントホルツ局長は「戦時下の性暴力への取り組みには進展が見られる。しかしコンゴやソマリアなど各地の女性たちが体感しているとおり、現状では不十分だ」と述べた。「政府は女性と少女の完全な平等を推進し、紛争状況下での性暴力防止に向けた取り組みを強化するとともに、サバイバーの健康・保護・裁判の求めに対処すべきだ。」

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