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日本:虐待と差別をなくし、セーフスポーツの推進を

民間団体が共同でスポーツ庁に行動を要請

名古屋でスピーチを行うスポーツ庁長官の河合純一氏、2025年10月18日。Junichi Kawai, the commissioner of the Japan Sports Agency, delivers a speech in Nagoya, Japan, October 18, 2025. © 2025 The Yomiuri Shimbun via AP Photo

(東京)―スポーツ庁は、スポーツをする人に対する虐待や差別をなくし、日本でセーフスポーツを推進する政策を導入すべきであると、12の団体及び個人が、河合純一スポーツ庁長官の宛ての共同書簡で述べた。河合長官は日本パラリンピック委員会の前委員長であり、2025年10月1日付でスポーツ庁長官に就任した。

11月28日、一同はスポーツ庁に対し、スポーツにおける安全を優先課題とするよう要請し、これはスポーツをする人をあらゆる形態の虐待から守るための重要な一歩だと表現した。この共同書簡に名を連ねるのは、一般社団法人アスリートセーブジャパン、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、日本セーフスポーツ・プロジェクト、一般社団法人監督が怒ってはいけない大会、一般社団法人S.C.P. Japan、ユニサカ他の7団体と、5名のアスリート及び専門家である。

「日本のスポーツ界では、子どもを含め、スポーツをする人に対する暴力・暴言等が当たり前のものとして存在してきた」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチ アジア局オフィサーの湯村帆名は述べた。「積極的な取り組みがあることは素晴らしいが、その上でスポーツ庁には、その行動をいっそう前進させて、国際基準を採用し、スポーツをするすべての人を守る実効的なセーフスポーツに関する政策を導入してほしい。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは2020年に発表した報告書「『数えきれないほど叩かれて』:日本のスポーツにおける子どもの虐待」で、地域から学校、トップレベルにまで至る、スポーツにおける体罰と慣習化された子どもへの虐待を明らかにした。そして、翌年には、スポーツにおける暴力を根絶するための国際キャンペーン「#スポーツから暴力をなくそう」の一環として、スポーツ分野と人権分野の代表的な6団体が、スポーツ庁に対し共同書簡を送り、『日本版セーフスポーツ・センター』を設立することを政府に求めた。

セーフスポーツ・センターは、スポーツにおける虐待に対応する独立した専門機関だ。このセンターが設立されれば、スポーツをする人や保護者、子どもが、報復を恐れずに虐待を通報できる環境が整備される。さらに、虐待事案の対応状況を当局が把握することも可能になり、申立機関を実効的なものとして機能させることになる。

さらに、署名団体及び個人は、スポーツ基本法8条及び29条1項に基づき、「セーフスポーツ法」を制定することも政府に求めている。この法律により、日本版セーフスポーツ・センターの設置の根拠が与えられる。また、各スポーツ団体に虐待事案への適切な対応を義務付けることなどを通して、スポーツにおけるあらゆる種類の暴力を禁止する手段ともなり得る。

「セーフスポーツ・センターとセーフスポーツ法は、日本でスポーツをする人を、あらゆる形態の虐待や差別から守る力となる」と、日本セーフスポーツ・プロジェクトの創設者で、アスリートの権利擁護の専門家である杉山翔一弁護士は述べた。「また、この二つの制度は、障がいのあるアスリートやLGBTQ+のアスリートを含め、スポーツをよりインクルーシブにするものだ。」

「極めて重要な時期だ」と、鹿屋体育大学スポーツ・人文応用社会科学系の森克己教授は述べた。「今年6月、日本はスポーツ基本法を改正し、国が暴力等に対する措置を講じることを義務付けた。この法改正は、セーフスポーツ法の制定の土台になり得るものだ。」

スポーツにおける体罰その他の虐待は、子どもやアスリートに生涯にわたるトラウマをもたらすものであり、国はその根絶に動くべきだと、署名団体及び個人は訴えた。

「子どもは、フィールドに足を踏み入れるたびに、安全を感じられるべきであり、虐待や差別を心配する必要は決してあってはならない」と、元サッカー選手で一般社団法人S.C.P. Japan代表理事の井上由惟子氏は述べた。「国による取り組みは確かに前進している。しかし、このメッセージを、学校スポーツからトップレベルまで、全国のアスリート、指導者、保護者、関係者に届けることこそが重要である。」

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