ミャンマー国軍が支配する国会の報道官であるカインカインソー氏は6月30日に、日本政府によるミャンマーへの政府開発援助(ODA)の再開を求めた。同氏はミャンマーの首都ネピドーで実施された記者会見で、日本政府による新規ODAの停止継続で「困るのは市民だ」と述べた。
日本政府は、国軍が2021年2月に軍事クーデターを起こして以降、人道支援以外の新規ODAを停止している。
ミャンマーの人々に関する報道官の懸念は、軍事政権による行動と相反する。軍事政権はクーデター以降、「人道に対する罪」と戦争犯罪に相当する、文民に対する超法規的殺人や拷問などを含む広範かつ組織的な人権侵害を犯してきた。さらに、2022年に国軍は日本政府が供与した旅客船2隻を紛争地域であるラカイン州で兵士や武器の移送のために軍事利用した。また、日本政府のODA「バゴー橋建設事業」を通じて、軍系企業が経済的に利したこともヒューマン・ライツ・ウォッチの調査で明らかになっている。
同時に、軍事政権は自然災害後の人道支援を何度も阻害してきた。
2025年12月と2026年1月に軍事政権が実施した見せかけの選挙は、国軍が支配する国家に国際的な正当性を与えるとともに、議会を通じて軍事政権の指導者であるミン・アウン・フライン氏を大統領に仕立てることが目的だった。日本政府は過去に選挙に関して「かえってミャンマー国民によるさらなる反発を招いて、平和的な解決が困難になることを深刻に懸念している」と発言した。
日本政府は、ミャンマー国軍が広範な残虐行為を処罰されることなく続け、ミャンマーの人々の権利を弾圧し、人道支援の提供を妨害し続ける限り、新規のODAを再開すべきではない。むしろ、日本政府は他国政府と連携して軍事政権の幹部と軍系企業に対して標的制裁を科し、軍事政権に対する圧力を強めるべきだ。
ミャンマー国軍の幹部らは、真にミャンマーの人々の苦しみを懸念しているのであれば、文民に対する違法な攻撃を即時に停止し、恣意的に拘束した人々を無条件で釈放し、基本的な自由を尊重するとともに、人道支援の自由な提供を認めるべきだ。