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ミャンマー:ロヒンギャ・ムスリム、アラカン軍の虐殺被害で救済されず

2024年、ホイヤール・シリで数百人が殺害 国軍は傍観 生存者は帰還できず

オマル・アモド氏は、虐殺から数か月後、自らの安全を顧みずホイヤール・シリに戻り、民間人が銃撃された現場を特定し、遺体の映像や写真を撮影した。これらの画像は法医学の専門家によって分析され、一部の被害者の頭蓋骨に銃創が確認された。「そこでは、至る所に骨や頭蓋骨の山が散乱しており、肉は腐敗していたものの、衣服はそのまま残っていました。遺体の中には水で満たされた溝の中にあったものもあれば、乾いた地面の上にあったものもありました。私は、これらの人々がどこに集められていたかを正確に覚えていました」と、オマル・アモド氏はヒューマン・ライツ・ウォッチに語った。 © 2026 John Holmes for Human Rights Watch
  • 民族武装組織「アラカン軍」がミャンマー・ラカイン州でロヒンギャ・ムスリム数百人を殺害・負傷させ、村を焼き払ってから2年が経過した。生存者たちには依然として法による正義が実現されず、自宅に戻ることもできない。
  • アラカン軍は戦争犯罪を行ったことを否定しているが、近隣のミャンマー国軍基地2か所に進軍後、安全を求めて避難していた非武装の村人たちに意図的に発砲している。
  • ミャンマー国軍とアラカン軍は、文民に対する攻撃を停止し、違法に拘束されている人々を解放し、被害者に救済措置を講じるべきだ。双方は国連その他の独立した調査機関に全面協力すべきである。

(バンコク)―民族武装組織「アラカン軍」が、ミャンマー・ラカイン州で数百人のロヒンギャ・ムスリムを死傷させ、村を焼き討ちしてから2年が経過した。生存者たちはいまだ帰還できないばかりか、多くは事実上拘束された状態にあると、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日発表した報告書で述べた。アラカン軍は、ブティダウン郡ホイヤール・シリ(ビルマ語でタンシャウクカン)での虐殺について責任を否定しているが、この事件では戦争犯罪に相当する国際人道法上の重大な違反行為が生じている。 

今回の報告書『「あたりは骸骨と頭蓋骨だらけだ」:ミャンマー・ホイヤール・シリでのアラカン軍によるロヒンギャ・ムスリム虐殺』が明らかにするのは、この2024年5月2日の襲撃事件だ。アラカン軍が近隣のミャンマー国軍基地2か所へ進軍したことを受け、安全のために避難していた非武装の村人に対し、アラカン軍の兵士が意図的に発砲した。虐殺の詳細は、発生後1年以上が経ち、生存者の一部がバングラデシュマレーシアへ脱出したことでようやく明らかになり始めている

「2024年にラカイン州でアラカン軍が数百人のロヒンギャ文民を殺害し、村を焼き払った出来事は、ミャンマー軍事政権との武力紛争の非道さを激化させるものだった」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理ミナクシ・ガングリーは述べた。「現在、虐殺の生存者たちは事実上アラカン軍に拘束されている。アラカン軍は救済措置の実施も、責任者の追及も行っていない。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは目撃者と生存者数十人に聞き取りを行い、証言内容を衛星写真で裏付けするとともに、写真や動画を分析・検証した。

ラカイン州でのミャンマー国軍とアラカン軍との戦闘は2023年11月に再開した。両軍は文民を標的にした攻撃、放火、違法な徴兵などの深刻な人権侵害に関与している。今回の調査結果は、自軍の兵士は軍人やロヒンギャ武装組織のメンバーのみを標的にしたとする、アラカン軍によるヒューマン・ライツ・ウォッチ宛の書簡の内容と矛盾する。

アラカン軍兵士は、ホイヤール・シリから脱出を試みる文民の一団にまず発砲した。しかし、なかには白旗を振っている者もいた。「まず息子が撃たれました」と、ある男性は語った。「次に妻とまだ赤ん坊の娘が、そしてもう一人の娘も撃たれたのです」。村人たちが引き返して逃げようとするなかでも、兵士たちは発砲を続けた。

ある女性は、兵士たちがモスクの横にある水田に村人の一団を集めたと述べた。「数分も経たないうちに、彼らはいきなり無差別に発砲してきました」と、この女性は振り返る。「全員が撃たれました。夫にも銃弾が当たりました。アラカン軍は夫がまだ生きているのを見て、近づいてきて、さらに数発撃ち込んだのです」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ホイヤール・シリの虐殺の死者・行方不明者のうち、170人以上(うち約90人が子ども)を特定して名簿化した。実際の犠牲者はこれよりはるかに多いとみられる。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、村内の3か所で遺体が確認できる写真や動画を分析・検証した。そのうち2か所では、遺体の間に文民の服が見受けられる。衛星画像は、アラカン軍の兵士がホイヤール・シリに火を放ち、制圧した後に村全体を破壊したという目撃証言を裏付けている。

兵士はまた、村人から現金や宝石を強奪した。アラカン軍に拘束されたある男性は、拘束中に他の人も含めて殴打や拷問(電気ショックなど)を受けたと話す。複数の目撃者が、兵士は村からロヒンギャの成人女性と少女を拉致したと述べた。

2025年2月、アラカン軍はホイヤール・シリの生存者全員に、近隣の仮設キャンプへの移動を命じた。その後、バングラデシュへの脱出に成功した村人たちはヒューマン・ライツ・ウォッチに対し、移動の自由を奪われ、強制労働を強いられるとともに、食料や医療の深刻な不足に直面していたと述べた。彼らは、同年8月にアラカン軍がホイヤール・シリにメディアを監視付きで入れた際、生存者たちは、文民殺害の責任を免れようとするアラカン軍から虚偽の証言を強要されたと述べた。

この10年、ミャンマー国軍はラカイン州で民族浄化、ジェノサイド行為、その他の残虐行為を実施し、ロヒンギャ100万人以上が非難を余儀なくされている。ホイヤール・シリでの虐殺は、たとえ(ミャンマー国軍ではなく)アラカン軍が支配する地域であっても、ロヒンギャ難民にとってラカイン州への帰還が依然として安全ではないことを浮き彫りにしている。

ミャンマー国軍とアラカン軍は、文民攻撃を直ちに停止し、違法に拘束している文民全員を釈放し、被害者とその家族に救済措置を講じるべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。アラカン軍はヒューマン・ライツ・ウォッチ宛の書簡で、信頼性と独立性が認められる国際人権団体が行う調査への支援を表明した。両軍は、「ミャンマー独立調査メカニズム」、国連のミャンマーに関する特別報告者、また人権団体のアクセスを許可するなど、独立調査に全面協力すべきだ。

「ミャンマー国軍は、2024年にホイヤール・シリのロヒンギャ文民が経験した過酷な事態に無関心なようだ。またそれ以来、軍政は人権状況全般の改善に向けた取り組みをまったく行っていない」と、前出のガングリー局長代理は述べた。「関係各国は、ミャンマー軍政とアラカン軍の双方に対し、ラカイン州のあらゆるコミュニティの権利を尊重するよう、ただちに強く働きかけるべきだ。」

皆様のあたたかなご支援で、世界各地の人権を守る活動を続けることができます。

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