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日本はインドの権威主義化を看過すべきでない

悔恨を残した対中政策をインドで過ちを繰り返さないために

インド・ニューデリーで行われた代表団レベルの会談後、署名済みの二国間協定を手にする(左から)高市早苗首相、小野啓一駐インド日本大使、ナグマ・モハメド・マリック駐日インド大使、ナレンドラ・モディ首相。2026年7月2日。 © 2026 Manish Swarup/AP Photo

高市早苗首相は7月2日、就任後初めてインドを訪れモディ首相と会談した。中国をけん制する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を掲げそのビジョンを共有するとする両首脳は、安全保障、エネルギー、投資での協力深化で合意し、総額2兆円(約120億ドル)規模、約120件の企業間協力文書を発表した。

日本政府はかねてよりインドを、普遍的価値を共有するパートナーと位置づけてきた。安倍晋三首相(当時)とモディ首相が両国関係を「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」に引き上げた際、両国は「民主主義、人権、法の支配」の遵守を約束した。

しかし今回、モディ政権の長年にわたる権威主義への傾斜にもかかわらず、人権や法の支配が話し合われた形跡はない。ヒンドゥー・ナショナリズムを掲げる同政権は、市民社会団体とメディアへの締め付けを強め、インターネット遮断を繰り返し、活動家、ジャーナリスト、平和的なデモ参加者を根拠のない容疑で訴追してきた。

同政権はまた、外国資金規制を使って人権団体を抑圧し、ムスリムを中心に、キリスト教徒も含む宗教的少数派を標的とする差別的な法律や政策を導入してきた。警察の加担が、ヒンドゥー・ナショナリスト集団が処罰を受けることなく少数派を攻撃する事態を助長している。

日本は対中政策の過ちを繰り返すべきではない。1989年の天安門事件の後、日本はいち早く、国際的に孤立した中国政府に手を差し伸べる外交に舵をきった。西側も、人権を条件としない関与政策に賭け、中国の経済発展が政治的自由化を、そして最終的には人権の尊重をもたらすと期待した。その政策は失敗した。習近平体制下の中国政府は、国内でも国外でも抑圧を強めている。日本政府自身が国家安全保障戦略で、中国の軍事動向等を「我が国と国際社会の深刻な懸念事項」であり「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置づけている。

中国政府は人権侵害への懸念を一蹴し、国連で多数の国を組織して自らを擁護させ、日本国内でさえ政府批判者を標的にしている。インドも同様の道を歩み始めており、改革に取り組む代わりに、国際的な批判を「偽善」「二重基準」だと反発して退けている。

だが、まだ遅すぎることはない。インドでは今も多くの人々が、民主主義の価値を守るために勇敢に闘っている。だからこそ日本は、欧州をはじめとする同志国とともに、人権と法の支配について友人として率直に語り合える関係を築くべきだ。これらの価値が空洞化すれば、「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンは権威主義的な支配に対抗する力を失うことになる。日本は対中政策の教訓に学ぶべきだ——「遅すぎた」となる前に声を上げること。それが信頼できるパートナーシップと、日本の長期的な国益につながる。

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