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日本:高市新政権は、高まるゼノフォビアに対応を

差別禁止法の制定 国内人権機関の設立 を支持すべき

参議院選挙を前に差別に反対する「プロテスト・レイヴ」に参加するデモ参加者。東京、2025年7月13日。 © 2025 AP Photo/Louise Delmotte, File

(バンコク)―ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日、『世界人権年鑑2026』を発表。その中で、女性初の総理大臣に就任した高市早苗首相は、人種、民族、宗教に基づく差別を禁止する法律の制定に向けて取り組むべきだ、と述べた

日本で暮らし、働く移住労働者と、訪日外国人観光客の人数が共に過去最高となるなかで、2025年7月の参議院選挙では外国人受け入れとゼノフォビア(外国人嫌悪)が大きな争点となった。2025年10月に就任した高市首相は、日本に住む外国人に関わる問題を扱う新たな役職を内閣に設けた。

「日本の人口構成は変化のさなかにある。あらゆる人の権利を守るために、高市首相は、差別禁止法を制定するとともに、独立した国内人権機関を設置すべきである。」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗は述べた。「さらに新政権には、人権の促進のために日本が果たすべきリーダーシップを、アジアでそして世界で発揮してほしい」。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、36年目の刊行となる年次報告書『世界人権年鑑2026』(全529頁)で、100カ国以上の人権状況を検証した。フィリップ・ボロピオン代表は序文で、世界を席巻する権威主義の波を食い止めることは、現代の世代にとっての重大な課題であると述べた世界の人権システムが米・トランプ政権やその他の権威主義国による前代未聞の脅威にさらされる中、基本的自由を擁護するため、ボロピオンは人権を尊重する民主主義国家と市民社会の強い団結を呼びかけた。

日本には、包括的な差別禁止法が存在しないだけでなく、性的指向や性自認(SOGI)に基づく差別や、年齢に基づく差別を禁止する法律も存在しない。また、国内人権機関も存在しない。

2025年を通じた日本の人権問題の主な動きは次の通りである。

  • 出入国在留管理庁は依然として難民の認定をしない傾向が強い。2024年には、12,373人が難民認定を申請したが、認定されたのは190人だった。335人が「人道的な配慮」を理由に在留を認められた。また、1,661人が2023年に導入された補完的保護対象者認定制度の対象とされた。
  • 5月には、東京高裁が画期的な判決を下した。典型的な「人質司法」の事例である大川原化工機事件について、捜査と起訴の違法性を認めた。この事件では、社長を含む3人がえん罪で1年近く不当に拘束された。
  • 6月には、国会で改正スポーツ基本法が成立し、国および地方公共団体に対して、暴力、性的な言動、指導者などの優越的な関係を背景とした言動などに、措置を講じることが求められるようになった。依然として、体罰などの子どもの虐待があらゆるレベルのスポーツで蔓延している。

日本の市民社会は長年にわたり、差別禁止法の制定と独立した国内人権機関の設立を求めてきた。人権を守る制度が脆弱な日本の現状を改善するため、日本政府は包括的な差別禁止法を制定し、国内人権機関を設置すべきである。

皆様のあたたかなご支援で、世界各地の人権を守る活動を続けることができます。

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