(東京)-日本の国会は2026年7月17日、日本国旗の損壊を処罰する国旗損壊罪を成立した。同法は表現の自由を侵害すると、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。法案は6月30日に衆議院で成立し、参議院では自由民主党、維新の会、及び野党3党が賛成した。
同法は、「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者」を処罰対象とする。罰則は、外国国章損壊罪(刑法92条)と同様の二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金だ。
「日本の国旗損壊罪は、表現の自由に対する直接的な脅威だ」とヒューマン・ライツ・ウォッチ アジア局シニア・プログラムオフィサーの笠井哲平は述べた。「この法律は、表現の自由という基本的権利を徐々に削り落とすことで、人々の基本的自由を脅かすメッセージを送っている。」
国旗損壊罪は、国際人権法に反して、言論と表現の自由を損なう。日本は市民的及び政治的権利に関する国際規約 (自由権規約)を批准しており、同規約の第19条は象徴的行動を含む表現の自由を保障する。国の安全や公の秩序を保護するために表現の自由を制限する場合、その制限は必要かつ比例的でなければならない。
国連の自由権規約委員会は、愛国心を害したり「非常に不快」な発言は、刑罰を正当化しないと明確にしており、「国旗やシンボルに対する不敬」に関する法律に対して懸念を表明している。
法案の成立前に、複数の法学者が同法は日本国憲法に適合しないと指摘した。6月25日の衆院内閣委員会で憲法学者の志田陽子氏は、「現在の案では、将来憲法訴訟になった時には、違憲と判断される可能性が非常に高いと考えている」とした上、「処罰対象が非常に広い、広範であるということ…そのため、必然的に各種の憲法上の権利を制約することになる」と述べた。
刑法学者の園田寿氏も「『不快』や『けしからん』という理由による処罰は、日本国憲法第21条が保障する表現の自由への重大な侵害となる」と指摘した。約150人の刑法学者や複数の弁護士会も法案に対して反対を表明した。
国旗損壊罪を利用して批判を封じ込める政府も存在すると、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。香港政府は近年、植民地時代に制定された、中国の国旗および香港の区旗の損壊を処罰する「国旗・国章条例」と「区旗・区章条例」を再び運用し、民主活動家に対して利用してきた。
報道によると、香港当局は2019年8月に中国国旗を海に捨てたとして5人の活動家を逮捕した。さらに、2019年12月に香港裁判所は、13歳の女の子が民主化デモの際に中国国旗を燃やしたとして12か月の保護観察を科した。また、2020年に香港裁判所は学生活動家の鍾翰林氏に対して、2019年の民主化デモの際に中国国旗を損壊したとして4か月の拘禁刑を言い渡した。また、民主活動家の古思堯氏はこれらの法律に違反したとして少なくとも8回有罪判決を受けた。
「国旗損壊罪は、現在および将来の政権が日本政府に対する抗議活動を素早く弾圧できる便利な道具だ」と笠井は述べた。「日本政府は早急に本法律を撤廃して、日本の民主主義は強く批判に耐えられることを国際社会に行動で見せるべきだ。」