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韓国:南北首脳会談、人権問題を議題に

北朝鮮に対し、国連特別報告者の入国の許可を求めるべき

South Korean President Moon Jae-in delivers a speech during a ceremony celebrating the 99th anniversary of the March First Independence Movement against Japanese colonial rule, at Seodaemun Prison History Hall in Seoul, South Korea on March 1, 2018. © 2018 Reuters / Kim Hong-Ji

(ソウル)–韓国は、4月27日に行われる文在寅大統領と金正恩朝鮮労働委員長との南北首脳会談で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の劣悪な人権状況を取り上げるべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。

「国連安全保障理事会が認めるように、北朝鮮の人権侵害と国際平和安全保障への脅威とは密接不可分である」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長ブラッド・アダムズは述べた。「朝鮮半島の安全保障問題の長期的解決には、北朝鮮政府からの根本的かつ広範囲にわたる改革へのコミットメントが必要だ。」

As the UN Security Council has recognized, human rights abuses in North Korea and threats to international peace and security are intrinsically connected.
Brad Adams

Asia Director

2018年3月31日、北朝鮮は韓国の康京和外相を批判した。北朝鮮に核放棄と人権状況の改善を求めたからだ。北朝鮮メディアは康外相の発言を「朝鮮民主主義人民共和国に対する公然たる政治的挑発であり、対話の空気を冷ます許しがたい行為」と批判している。2018年4月4日、康外相は報道陣に対し、韓国政府は北朝鮮の劣悪な人権状況について「確固たる立場」を維持すると述べる一方、この問題を議題にするには政府の準備が足りないとした。

2018年4月10日、ヒューマン・ライツ・ウォッチのほか、アジア、ラテンアメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、北米の200以上のNGOを代表する複数の連合体など40団体が文大統領宛に書簡を送り、金委員長にたいして国連による人権関連勧告を実施するよう働きかけることを求めた。

2018年4月11日、韓国大統領官邸(青瓦台)職員は北朝鮮の人権問題は首脳会談の議題にはならないと述べた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは韓国政府に対し、この判断を見直し、首脳会談で北朝鮮の人権問題を取り上げるよう求めた。なかでも韓国政府は、北朝鮮政府に対し、北朝鮮の人権問題に関する国連特別報告者に協力し、入国を認めるよう働きかけるべきだ。その他の国連人権報告者も入国を認められるべきである。

北朝鮮の人権問題が首脳会談で議題化されなかったとしても、韓国のほか、米国や日本など各国政府は今後の安全保障協議のほか、北朝鮮への経済・技術協力、投資、人道援助を含めたあらゆる協議の場で、人権を議題にするよう主張するべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。北朝鮮は主要な国際人権条約である市民的及び政治的権利に関する国際規約を含む人権条約を批准している。最近では国連との間で2017年~2021年に両者が行うすべての協力事業について、「国際連合と朝鮮民主主義人民共和国との協力のための戦略フレームワーク」で合意した。その目的は北朝鮮国民、とくに脆弱な集団に属する人びとの福祉の向上と、国連と北朝鮮とのあらゆる関係の中心に人びとを置くという人権ベース・アプローチの採用である。

「今回の首脳会談は南北関係、とくに長年苦しんできた北朝鮮国民にとってきわめて重要な契機である」と、前出のアダムズ局長は述べた。「この会談の目標は、朝鮮半島の安全保障問題に関し、北朝鮮の劣悪な人権状況の改善に向けた歩みを進めながら、真の長期的な解決策を見いだすことであるべきだ。」

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