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2008年9月、ビルマ軍事政権が平和的に民主化を求めた人びとに対して残虐な弾圧を行ってから丸1年がたちました。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ビルマを支配する残虐な軍事政権に圧力をかけるため、軍事政権幹部を対象とした対象限定型の制裁が行われるようアドボカシー活動を続けて参りました。

また、ビルマ産の宝石の国際取引など、莫大な資金をビルマ軍部にもたらすビルマ軍部ビジネスの現状を明らかにして参りました。そして、消費者ボイコットや、軍政幹部らを対象とする対象限定型の金融制裁など、ビルマ産宝石の販売を阻止するため、強力な政策を実施するように呼びかけました。対象限定型の制裁とは、一般住民は対象外とし、権力を乱用する個人を対象として、当該個人に直接的に経済的打撃を与える制裁です。

こうした働きかけが功を奏し、米国議会は、ビルマの宝石取引問題解決のための法律を全会一致で可決。ブッシュ大統領の署名を経て、9月27日に新法が施行されました。この新法は、ビルマの"血の宝石"の取引を規制する従前の法律にあった抜け穴をふさぐ性格の法律です。ビルマ産のルビーや翡翠の輸入は、欧州連合(EU)やカナダではすでに完全禁止とされていましたが、これで、米国においても完全禁止が実現したことになります。

また、消費者ボイコットとこうした対象限定型の制裁が同時に行われたことが功を奏し、冷酷なビルマ軍部が宝石取引により手にしてきた莫大な利益にも減少の兆しが見え始めています。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、引き続き、世界各地のハイレベル会合で、国際社会の行動を求めてまいります。そして、全ての政府に対し、人権侵害に責任を負う軍事政権の幹部及び軍事政権に巨万の富をもたらす軍部ビジネスに対象を絞った形の対ビルマ多国間制裁の策定と導入を求めて参ります。

皆様のあたたかなご支援で、世界各地の人権を守る活動を続けることができます。

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