自由民主党、日本維新の会、国民民主党、そして参政党の4党は、6月16日に「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と」日本国旗を「損壊し、除去し、又は汚損した者」を処罰する法案を共同で国会に提出した。
法案は、刑法第92条の外国国章損壊等と同様に、2年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金を処罰としている。
自民党は当初、自ら日本国旗を損壊している様子の動画をソーシャルメディアに掲載することも処罰対象としていたが、国民民主党が「表現の自由が過度に制限される」と指摘したため、文言を削除した。また、参政党の提案により、「損壊や汚損をした国旗を公然と陳列する行為又はこれに類する行為の発生状況」を勘案し、法案を見直していくという文言が付則に盛り込まれた。同時に、第3条は、「この法律の適用に当たっては、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」としている。
現状の法案は、表現の自由を脅かすものであり、国際人権法に違反している。具体的に、市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)の第19条は、象徴的行動も含む表現の自由を守っている。国の安全や公の秩序を保護するために表現の自由を制限する場合、制限が必要かつ比例的でなければならない。国連の自由権規約委員会は、愛国心を害したり「非常に不快」な発言は、刑罰を正当化しないと明確にしており、「国旗やシンボルに対する不敬」に関する法律に対して懸念を表明している。
ヒューマン・ライツ・ウォッチが以前指摘した通り、国旗損壊罪を利用して批判を封じ込める政府も存在する。例えば、香港政府は中国国旗と香港国旗の損壊を禁じる二つの法律を使い、長年民主活動家たちを弾圧してきた。2019年に香港裁判所は、13歳の女の子が民主化デモの際に中国国旗を燃やしたとして12か月の保護観察を科した。また、民主活動家の古思堯氏はこれらの法律に違反したとして少なくとも8回有罪判決を受けている。
日本政府は自由権規約の批准国として、今回の法案を却下してあらゆる人々の表現の自由を守るべきだ。