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Palestinian children suffering from malnutrition receive treatment at a healthcare center, in Rafah, in the southern Gaza Strip, March 4, 2024. © 2024 Mohammed Salem/Reuters

パレスチナ市民社会は、世界中の人道支援団体および人権団体と共に、この緊急かつ統一された呼びかけを発表する。ガザで人為的に引き起こされている飢餓を終わらせなければならない。国際社会は道義的・法的責任を完全に果たし、断固とした行動を直ちに取らなければならない。

私たちは、戦争の手段として民間人を意図的に飢餓に陥れる行為を、いまこの瞬間にも目の当たりにしている。ガザに住む200万人を超えるパレスチナ人を飢餓が襲っている。2025年3月2日から、イスラエルは人道支援物資と命を救うための支援を全面的に遮断している。これは、ガザがこれまで経験してきたなかで最長の完全封鎖である。 国連児童基金(ユニセフ)と 国連人道問題調整事務所(OCHA)は次のように警鐘を鳴らしている。ガザでは農地が破壊され、漁場が立入禁止となり、パン屋やコミュニティキッチンが閉鎖され、食糧が底をつき、人びとは絶え間ない爆撃にさらされながら飲み水をめぐって争っている。子どもたちは「極度の空腹を抱えながら就寝している」。2歳未満の子どもと授乳中の母親のうち92%は適切な栄養を摂取できていない。病院では輸血用血液が底を突き、爆発で焼傷を負った人びとの救命に必要な水にも事欠くありさまだ。

国連難民救済事業機関(UNRWA)と世界食糧計画(WFP)の備蓄倉庫が空になるなかで、イスラエル政府は、国連運営の既存の援助配給システムを解体しようと動いている。2025年4月11日、パレスチナNGOネットワークは、ガザの飢餓が深刻な段階に入ったと宣言した。これに続き、パレスチナ国は、ガザ地区を飢餓地域に指定するとともに、国連憲章第99条に基づく行動を始めとする、国際社会の緊急介入を求める公式声明を発表した。餓死はすでに発生しており、事態が続けば犠牲者は急増が予想されている。「総合的食料安全保障レベル分類」(IPC)によると、ガザの全住民が「深刻な食糧不安」の状態にあり、50万人が飢餓に直面している。飢餓(IPCフェーズ5=壊滅的飢餓)が間もなく現実化するリスクが高い。即座の対応が絶対に必要だ。

この壊滅的な状況にもかかわらず、3,000台を超える支援物資用トラックと11万6,000トンの食糧がガザにいつでも搬入できる状態にある。しかし、イスラエル一国が搬入を阻んでいる。これは、南アフリカ対イスラエル事件における国際司法裁判所(ICJ)の暫定措置を含む、法的拘束力のある命令で再確認された国際法の核心的な原則を公然と踏みにじる行為だ。これらの命令は、1年以上経った現在も無視され、履行されていない。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は次のように述べている

「援助実施に交渉の余地はない……。援助物資の搬入は直ちに再開されなければならない……。人道援助は何一つ妨げられてはならない。これはただ形式的に支援を表明し、チェックボックスに印をつけ、そして先へ進むような時ではない。」

2025年4月29日、フォルカー・テュルク国連人権高等弁務官は、命を救うための支援が全面崩壊しかねないと警告し、次のように述べた。

「第三国は、国際法に基づき、このような振る舞いを即時停止させる明確な義務を負っており、その通りに行動しなければならない。」

したがって、私たちは、ラファ検問所を通じたガザへの外交人道支援コンボイの即時組織と展開を要請する。

私たちは各国に対し、可能な限り最高レベルの公式外交使節団を派遣して人道支援コンボイに加わり、支援物資を積み、ラファ検問所で待機するトラックに同行してガザに入るよう強く求める。この行為は、各国の法的義務、道徳的勇気、および人間としての連帯精神に基づくものである。その目的のため、私たちは次のことを要求する。

1. 私たちは、すべての国に対し、ラファ検問所からガザへ援助物資を搬入するトラックに同行する公式の外交使節団を派遣することにより、人道コンボイへの参加への公的なコミットメントを行うよう求める。具体的な出発日はまもなく発表される。各国はまた、援助の武器化を、またイスラエルが計画した配給メカニズム(救援活動を軍事化し、国連機関や人道支援団体を排除するメカニズムである)を拒否すべきである。

2.私たちは、すべての国に対し、国連およびエジプト政府との調整の下、コンボイがガザにスムーズに入れるようにすると共に、人道支援物資、医療チーム、援助ワーカーが直ちに、妨害を受けず安全に通行できる状況を確保するよう強く求める。

3.現在進行中の残虐行為に加担する政府のなかには参加を見送る国があることもありうるので、私たちは、そうした国の外交官、議員、大臣に対し、個人の資格でコンボイに参加するよう求める。

4.私たちは、外国メディアに対してコンボイの同行を強く求める。飢餓の現状の証人となり、実情を記録し、封鎖がガザに飢餓をもたらしていることを明らかにするよう要請する。

5.私たちは、グローバル市民社会 ― NGO、労働組合、学生組織、政党、連帯ネットワーク ー に対して、直ちに行動を起こすよう求める各国政府に対し、コンボイへの援助を行い、物資的・政治的支援を提供すると共に、支援の態度を明確にするよう強く働きかけていただきたい。

6.私たちは、国連に対して、実証されたデータを元にガザを飢餓地帯と宣言するために求められる、必要なアセスメントと手続きを至急完了すると共に、外交人道支援コンボイを積極的に後押しし、推奨し、これに参加することにより、今回の統一要請を支持するよう求める。

これは人間として果たさなければならない責務である。外交人道支援コンボイが実現すれば、ガザの封鎖を解き、飢餓を終わらせると共に、飢えを戦争の道具として用いることを世界が拒絶していることを認める歴史的な一歩となる。

この呼びかけは、国際法、共通の道徳、ジェノサイド条約、国際司法裁判所の暫定措置命令、国連憲章、そして、国連、イスラム諸国会議機構(OIC)、アラブ連盟、欧州連合(EU)、アフリカ連合(AU)で数え切れないほど行われてきた決議に基づく。何もしないことは飢餓による大量死をもたらし、さらなる深刻な違法行為を許し、国際法制度を損なうことになるだろう。私たちは今日、皆さんに次のことを求めている。

  • ガザを生きさせよ。飢餓を終わらせよ。封鎖を解除させよ。全検問所を開放せよ。
  • 外交人道支援コンボイを立ち上げよ。いますぐ!

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