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カンボジア:人権活動家5人への有罪判決を破棄すべき

選挙後の恩赦はPR戦略の一環に過ぎない

(ニューヨーク)-カンボジア当局は、人権活動家5人に出した、政治的動機に基づく有罪判決を取り消すべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。5人全員がカンボジア人権開発協会(ADHOC)の現役または元職員だ。裁判所は2018年9月26日、5年の刑(ただし未決勾留期間14か月が差し引かれる)を宣告した後、刑の執行を延期した。

「根拠のない一連の有罪判決は、7月に行われたインチキ選挙で権力を強化した後も、フン・セン首相には人権活動家を迫害する意志があることを示している」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長ブラッド・アダムズは述べた。「フン・セン氏が選挙後に行った政治囚の恩赦は、カンボジアの国際的な正当性を回復しようとするPR戦略の一環にすぎないのである。」

ナイ・ヴァンダ(Nay Vanda)、ニ・ソカ(Ny Sokha)、リム・モニ(Lim Mony)、イ・ソクサン(Yi Soksan)の4氏は協会の幹部職員だ。またニ・チャクリャ(Ny Chakrya)氏は元幹部職員で、現在は全国選挙管理委員会の副書記長だ。2017年、5人は高名な「人権擁護活動家のためのマーティン・エナルズ賞」の最終候補者となっている。

Now is the time to turn up the heat so that Hun Sen understands there will be significant costs if he doesn’t reverse course.
Brad Adams

Asia Director

有罪判決を言い渡すのに9月18日の1日で終わり、深刻な欠陥のある公判によって出されたものであった。容疑は「証人買収」というでっち上げのものだった。5人全員が、容疑に関する司法捜査が行われるまでの間、14か月にわたり恣意的な未決勾留状態に置かれた。捜査のねらいは、野党カンボジア救国党(CNRP)指導者ケム・ソカ氏への政治的動機に基づく起訴に協会を巻き込むことだった。2017年7月29日、捜査担当判事は事件を裁判に掛けたが、複数が健康問題を抱えていたため、5人全員に保釈金を払っての釈放を認めた。

この訴訟は2016年、ケム・ソカ氏と不倫関係にあると政府が主張し、政府から嫌がらせを受けたケム・チャンダラティ(Khem Chandaraty)(別名、スレイ・モンSrey Mom)氏に、協会が法的支援を行ったことで生じた。2018年9月18日の公判で、被告側はスレイ・モン氏本人、また重要な証人であるスレイ・モン氏の弁護士の証言に反論する機会を与えられなかった。検察側は、証人が実際に賄賂を受け取ったことについても、また賄賂を受け取ったとされる証人の特定についても信頼に足る証拠を提示することができなかった。

2016年の半ば、未決勾留中のニ・チャクリャ氏は、協会での人権活動から生じた、これも根拠のない名誉毀損で起訴され、6カ月の刑を宣告された。2018年9月26日、最高裁判所は刑の執行前に上告審を行うとして氏を召喚した。この容疑は、全国選挙管理委員会で独立した活動を行うという氏の業務遂行を妨害するために掛けられたものだと思われる。判決日は10月1日の見込みだ。

カンボジアは国連自由権規約(市民的および政治的権利に関する国際規約)の締約国であり、規約には表現と非暴力集会、結社の自由への権利がうたわれている。カンボジア政府の統制下にある裁判所での公判は、容疑者が公正な審判を受ける権利の擁護を組織レベルで失敗している。

「外国社会とドナーは、今回の有罪判決に強く抗議すべきだ。手をこまねいていれば、さらに多くの事件が起きてしまうだろう」と、前出のアダムズ局長は指摘した。「最近の恩赦は国際社会の圧力を受けてのものだ。今こそ圧力を高め、フン・セン氏に対して、方針転換を怠れば大きなコストを背負うことになることを示すべきである。」

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