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4月7日、ペルー最高裁特別法廷の裁判官3名で構成される裁判体は、アルベルト・フジモリ元ペルー大統領の重大な人権侵害などの容疑に対し、有罪判決を下しました

フジモリ政権は1990年から2000年までの10年にわたり、大統領に権力を集中させるため賄賂、恐喝、脅迫を行い、民主化プロセスを妨害し、政府による人権侵害へのチェックを排除してきました。フジモリは1991年と1992年の2つの虐殺事件における25名の殺害の罪、及び、1992年のジャーナリスト1名とビジネスマン1名の誘拐の罪で、有罪判決を受けました。この虐殺は、軍情報局員で構成された特殊部隊のコリーナ部隊によって実行されました。最高裁判所はこの虐殺が、ペルー情報局を通じてフジモリが策定し実施した対ゲリラ戦略の一環であったとしています。

日本で5年間法の裁きを逃れ続けた後、2005年にフジモリが突然チリに現れた時、ヒューマン・ライツ・ウォッチは直ちに、フジモリの行った人権侵害の記録とその証拠について記述した報告書をまとめ、発表しました。ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書は、彼にとって不利な証拠は存在しないという、当時の一般的な共通認識をくつがえす決定打となりました。

2007年、チリ最高裁判所は、ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書に記述された証拠にかなりの信頼を置き、裁判への出廷のため、ペルーへのフジモリの身柄引渡しを許可するという、過去にあまり例のない判決を下しました。ヒューマン・ライツ・ウォッチはペルーでの裁判を綿密に監視しました。適正手続を順守した模範的な裁判の後、ペルー最高裁判所がフジモリに下した有罪判決は、一国の裁判所が元国家元首に対して裁判を行う意志、能力、独立性を備えていることを示した、貴重な実例です。

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