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東京の公立高校の廊下。 © 2023 Bede Sheppard / Human Rights Watch

日本の国会では今週、3月31日に、高校授業料について、公立高校の授業料相当額を所得制限なしで無償化することが決定されました。高校授業料の無償化は、2010年度に導入されましたが、2014年度からは所得制限が設けられました。

新年度予算案に盛り込まれたこの新たな措置は、教育の機会均等を拡大します。また、収入が不安定だったり、移民など周辺化された背景があり、学費支援を受けるための煩雑な手続きに、時に苦労する親を持つ子どもについて、教育へのアクセスを拡大し確実性を高めることが期待されます。

今回の動きを推進したのは、小規模野党の日本維新の会です。現政権は少数与党であるため、予算成立に同党の協力を必要としたのです。

現在、日本では世帯年収910万円未満の生徒に対し、公立高校授業料相当額を年額118,800円支給しています。新たな措置は、この所得制限を撤廃し、すべての生徒に国公立高校での教育を無償で提供することを目的としています。

1989年の子どもの権利条約に定められた子どもの権利に関する国際法は、すべての子どもに対し、中等教育を漸進的に利用可能であり、かつ利用する機会が与えられるものとするよう各国に義務づけています。国連人権理事会は現在、この条約の内容を補うことに向け、草案作りを検討しています。すべての子どもが無償で公立中等教育を受ける権利を、国際法に長年記されてきた、無償の初等教育の保障と同等の緊急性を持つものとして、保障するためです。

一人当たり国内総生産(GDP)に照らしてみると、これまで日本は、すべての子どもに無償の公立中等教育を保障していない、世界で最も裕福な国でした。また、OECD加盟国中、教育費支出の対GDP比が、最低水準となっています。さらに、大阪府東京都が、都府内の子どもに対する中等教育の完全無償化という、重要な政策を導入したことで、国内では無償教育へのアクセスが、ますます不平等なものになっていました。

また一方で、新制度でも、公立学校に通う子どもと私立学校に通う子どもでは、支給額に差があります。私立学校の生徒については、公立よりも高い学費をカバーするために、支給額が加算される場合があります。

素晴らしいことに、日本の就学率はほぼ100%(ただし近年の移民の就学率はそれより低い)です。しかし、今回の新たな措置は、日本が国際的な義務を果たす上で重要な一歩です。国会は教育基本法を改正し、今回なされた教育無償化の拡充を条文に盛り込むべきです。これにより、今回得られた成果が、今後の政権の裁量とは無関係に保障されることになるのです。

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