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日本はカンボジアによる国境を越えた人権弾圧に抵抗すべきだ

カンボジア当局による海外にいる政権批判者の弾圧は表現の自由を脅かす

カンボジアのフン・セン元首相の来日を歓迎する岸田文雄首相。東京、2024年1月11日。 © 2024 Kazuhiro Nogi/AP Photo

カンボジア当局は8月16日に、28歳のハイ・ワンニット氏を強制失踪させた。同氏の拘束は、カンボジアのフン・セン元首相(現上院議長)が今月行った演説で在日カンボジア救国活動の会の代表でハイ・ワンニット氏の兄であるハイ・ワンナー氏を批判した後に実行された。ハイ・ワンニット氏の家族は、同氏が逮捕された後に連絡が取れておらず、当局から彼の居場所に関する連絡もないため、同氏の安全を懸念している。

ハイ・ワンナー氏は、カンボジア・ラオス・ベトナムの「開発の三角地帯」を批判してきた。今年7月、フン・セン氏はカンボジア政府に対して「開発の三角地帯」に反対する在カンボジアの組織をすべて「探して特定」した上、「海外にいる個人の情報も集約して、家族歴や家族が海外にいる場合は調べるべき」と促した。

その後、カンボジア当局は8月14日から19日の間、「開発の三角地帯」に反対していた60人を拘束した。ハイ・ワンニット氏は、カンボジアの保健省に努める公務員で、同開発を批判していなかった。

「私の弟は、私自身の政治活動とは無関係です」とハイ・ワンナー氏はヒューマン・ライツ・ウォッチに伝えた。「彼は学者であり、公務員であり、国立公衆衛生研究所の教授です。彼の即時解放を求めます」。

カンボジア政府の批判者が日本での活動を理由に、カンボジア当局の標的になったのは今回が初めてではない。今年5月、演説で日本の支援者に対して政治活動の自由を求めた野党「国民の力」のスン・チャンティー党首は、帰国後に逮捕された。2か月後、日本のメディアのインタビューでフン・マネット首相とフン・セン氏を非難したことが名誉棄損に当たるとして、カンボジアの裁判所は野党キャンドルライト党のティアウ・ワンノル党首に150万米ドルの罰金を科した。

カンボジア政府は、政権批判者が日本で活動することを好まない。フン・マネット首相は8月15日に、「日本は、自らの領土を抗議活動や政府転覆の主導の拠点として肯定しているのか?」と述べた。

日本政府はカンボジアの主要な支援国として、カンボジア当局に対してカンボジア国内および海外にいる政権批判者への脅迫行為を直ちに止めるよう公に働きかけるべきだ。また、ハイ・ワンニット氏のように日本にいる人権活動家の親戚という理由や、基本的権利を行使しただけで拘束されている人々の解放も求めるべきだ。

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