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Rohingya refugees gather behind a barbed-wire fence in the “no-man’s land” border zone between Myanmar and Bangladesh, April 25, 2018. © 2018 Ye Aung Thu/AFP/Getty Images

(バンコク)ミャンマー当局者は、バングラデシュからミャンマーに帰還したロヒンギャ難民を拷問、投獄していると、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。こうした虐待は、ロヒンギャのミャンマーへの安全な帰還の実施にあたり、現地での国連によるモニタリングを含めた、国際的な保護の必要性を強めるものだ。

「ロヒンギャへの拷問は、帰還する難民に安全と保護を保証するとのミャンマー政府の公約を裏切るものだ」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理フィル・ロバートソンは述べた。「安全で尊厳を保たれた帰還の確保というミャンマー側の言い分とは裏腹に、帰還するロヒンギャは、避難を強いられる理由となった迫害と虐待にいまだ直面しているのである。」

2017年に、ミャンマー国軍の民族浄化作戦を避けるためバングラデシュに逃れたロヒンギャ6人は、現金収入を得るためにラカイン州に戻った際、ミャンマー警察下の国境警備隊(BGP)に別々に拘束されたと、ヒューマン・ライツ・ウォッチに話した。未決勾留中には治安部隊から拷問されたという。全員が即決裁判を受け、おそらく違法な越境を理由に4年の刑を宣告された。

The treatment of these Rohingya refugees should be a warning sign to those who believe the Myanmar authorities are ready to ensure safe returns.
Phil Robertson

Deputy Asia Director

1カ月後、政府は6人を含む数十人を恩赦とした。2018年6月1日、当局はかれらを現地訪問中のジャーナリストの一団に会わせ、ロヒンギャを十分に処遇し、帰還は安全であることを示そうとした。取材後に6人はバングラデシュに逃れた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ラカイン州マウンドー郡で別々に逮捕、拘禁された3人の成人男性と3人の少年(最年少は16歳)に話を聞いた。6人は国境警備隊員から銃口を突きつけられ、武装集団のアラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)について繰り返し尋問を受けたと話した。そして無理な姿勢の維持の強要、拳や棒、むちでの殴打、やけどや電気ショックを受けて、ARSAとの関係を自白するよう強要されたという。また拘束中には、清潔な水も食べ物も満足に与えられなかった。

それからマウンドー郡の未決勾留施設に移送されたという。尋問では私服の軍情報部員から鞭で殴られ、足で蹴られた。勾留状況もひどく、弁護士を頼むことはできず、審理はほとんど理解できない言語であるビルマ語で進められたと話す。裁判所が複数人にまとめて4年の刑を宣告すると、当局はかれらをマウンドー郡のブティーダウン刑務所に移送した。ロヒンギャが大半を占める囚人数百人と一緒だったという。

5月23日、マウンドー郡の行政担当者は一列に並べたロヒンギャ囚人数十人に対し、ウィンミン大統領が恩赦を命じたので、国籍未審査者向け身分証明書(NVC)を配布し、釈放すると述べた。NVCとは、ミャンマー国籍を持つというみずからの主張を弱めるとして、多くのロヒンギャが受領を拒否する身分証明書である。アウンサンスーチーを補佐する国家顧問局は5月27日付の声明で、ロヒンギャ58人に大統領が恩赦を出したことを認めた。訴訟が取り下げられたロヒンギャ4人も後日同じ措置を受けた。

A Rohingya man fixes his roof

A Decade of Detention for Rohingya in Myanmar’s Rakhine State

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当局側はこの62人のロヒンギャを、ガクヤ村落区にある国境警備隊施設に移送した。そこで当局者から、NVCを受け取るよう強要され、施設から出ようとすれば再逮捕すると脅された。そしてフラポーカウンの一時キャンプに身柄を移されると、6月1日には、政府当局者から政府主催のツアーに参加するマスコミの一団に面会させられた。ウィンミャットエイ社会福祉・救援・再定住相はこの62人の帰還民に対し、家を再建する資金と人道援助を提供し、バングラデシュから家族を連れてくることもできると述べた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチが話を聞いた6人は、マスコミへの発言内容は事前に指示されていたと話す。10代の少年は、この指示から外れた受け答えをしたところ、国境警備隊員が口を挟んできて、最終的にはやりとりを打ち切ったという。一行が去ると、BGPによる監視下に置かれ、フラポーカウンを出るなと命じられた。再び逮捕され、拷問を受けることを恐れ、ヒューマン・ライツ・ウォッチがインタビューをした6人を含む2つのグループが、バングラデシュ側に逃れた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、政府報道官を務めるゾーテイ国家顧問局長に繰り返し電話をしたが、不在でコメントできないとの応答だった。

「今回のロヒンギャ難民への処遇は、ミャンマー当局が難民の安全な帰還を準備していると信じる人びとへの警告だ」と、前出のロバートソン局長代理は述べた。「自発的で安全な、尊厳の保たれた帰還の実現に必要な改革に真剣であることを示すに先立ち、ミャンマー政府は多くの課題に取り組まなければならないのである。」

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