米フロリダ州オーランドで起きた銃乱射事件の死傷者数が報じられるなか(現時点では49人が犠牲となり54人が負傷)、人びとはこの不条理に意味を与えようと、事件の理由への手がかりを殺人者の行動や言葉のなかに探ろうともがいています。 LGBTコミュニティへの憎悪がひとつの重要なカギのようにみえたり、「イスラム過激派」など単一の要因に集約しようとする動きもありますが、オマル・マティーン容疑者の動機が明確になる日は来ないのかもしれません。事件直前に容疑者はイスラミックステート(ISIS)への忠誠を誓い、ISIS関連メディアが犯行声明を出しました。元妻は結婚生活で繰りかえし暴力を受けていたと話しており、また同僚が嫌がらせやストーカー行為を受けていたとも報じられています

People light candles during a vigil in memory of the victims of the gay nightclub mass shooting in Orlando, at St Anne's church in the Soho district of London, June 13, 2016. 

© 2016 Reuters

ひとつはっきりとしている事実は、ナイトクラブ「パルス」で起きたことが、いまや米国で心が痛むほど普通になりつつある銃乱射事件のパターンにあてはまるということです。米国では今年だけで、1回に4人以上が銃撃された乱射事件が、今回を含めて176回も起きています。

そして近年発生した最悪の乱射事件は、使われた兵器でつながっています。コロラド州オーロラ(映画館)、コネチカット州ニュータウン(サンディフック小学校)、カリフォルニア州サンバーナーディーノ(福祉施設)、そして今回のフロリダ州オーランドの犯行で主に使われた銃はAR-15。もともと軍用に開発されたライフルのセミオート型です。その命中率と連射速度で知られ、米国では合法的に購入できます。2012年にニュータウンのサンディフック小学校で起きた銃乱射事件では、子ども20人と大人6人が死亡しました。犠牲になった子どもたちの家族は、ライフルは軍用の兵器であり一般市民に販売されるべきではないとして、AR-15の製造元を訴えています

兵器に加え、これらの事件にはもうひとつの共通点があります。それは米議会の行動の欠如です。犠牲者の数や年齢、身元、および加害者の動機や経歴がどんなものであろうと、銃規制を実現する力をもつ議員たちは何も手を打ってきませんでした。それどころか米議会は、銃規制にむけて効果的な政策を提案できる可能性を秘めた、銃による暴力の研究を公的に助成することを禁じてしまいました。米国に住めることの代償として乱射事件をなかったことにするなど、米国に住むすべての人びとに対する裏切りです。米政府には、銃による暴力から市民を守る義務があります。いくつかの州は銃火器問題に取り組もうとしていますが、寄せ集めたつぎはぎだらけの現行法で銃規制はできません。今こそ、連邦政府がこの問題に本格的に取り組み、不条理に意味を与える時なのです。

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