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スリランカ:潘基文国連事務総長のスリランカ訪問は、国内避難民に焦点を

スリランカ政府に、人道援助と人権保護を働きかけるべき

(ニューヨーク)-潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、今回のスリランカ訪問で、スリランカ内戦に終止符をうった戦闘によって避難を余儀なくされた民間人の惨状に焦点をおくべきである、とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日、潘事務総長に宛てた書簡で述べた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、書簡の中で、潘事務総長の2009年5月23日のスリランカ訪問の際に、戦闘地域に取り残されている多くの負傷者を含む30万人近い国内避難民の保護を確約するようスリランカ政府に促すよう要請。また、潘事務総長は、スリランカの民族少数者であるタミル人に法の下の平等を保障し、重大な人権侵害を不処罰のまま放置する悪循環を断ち切り、さらにメディアの自由を確保し、もって、スリランカにおける今後の人権侵害を防ぐよう、スリランカ政府に公式に求めるべきである。さらに、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ(LTTE)の両紛争当事者による重大な戦争法(戦時国際法)違反を調査する国際事実調査団に、スリランカ政府が協力するよう要請するべきである。国連によると、2009年1月から5月中旬に戦闘が終結するまでの間に、7000名を超える民間人が殺害され、更に多くの人びとが負傷した。

「長かった内戦が終結したことは、スリランカでの更なる人権の尊重に向け、重要な機会だ」とヒューマン・ライツ・ウォッチのエクゼクティブ・ディレクター ケネス・ロスは述べた。「潘事務総長の訪問は、全ての人びとの権利が尊重されるスリランカの実現にむけた希望と懸念の両方を、公式に表す重要な機会である。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、以下の事項がスリランカ政府にとり極めて重要であると述べた。

●負傷者の治療のため、国連と人道援助機関に対し、国内避難民の収容所及び戦闘地域への全面的な立ち入りを認める事

●過去そして現在の人権侵害の事実を明らかにする人権の守り手(人権活動家)やジャーナリストに対する嫌がらせ・脅迫をすべて止める事

●タミル人や、政府によりLTTEのメンバーであると疑いをかけられた人々が、新たな人権侵害の被害者とならないよう確実に保護する事

●タミル人コミュニティーの長年の懸念たるタミル人に対する差別の解決と、法の下でタミル人を完全で平等な国民として扱うという政府の公約に取り組む事

潘国連事務総長は、近時の戦闘における紛争両当事者の国際人権法及び国際人道法違反行為を調査し、その責任を問うための国際事実調査団の設立を推し進めるべきである、とヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。

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