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ミャンマー:NLD幹部の拘禁中死亡事件、緊急調査が必要

NLD幹部の父親の強制失踪事件も直ちに所在の公表を

Myanmar soldiers blocking the street in Yangon near the home of Khin Maung Latt on the night of his arrest, March 6, 2021.  © 2021 Private

(バンコク)ミャンマー軍事政権は、国民民主連盟(NLD)幹部が拘禁中に拷問を受けて死亡した事件について迅速かつ公平な調査を実施し、責任者を追及すべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。軍政は、強制失踪した国民民主連盟(NLD)幹部の父親であるウ-・ピーター氏など、2021年2月1日のクーデター以降に「失踪した」とされる全員の所在を早急に明らかにすべきだ。

2021年3月6日夜、ヤンゴン郊外のパベーダン区内の小区で、小区長のキンマウンラット氏(58)の自宅を兵士と警察が襲撃するのが目撃された。治安部隊は自宅に強制的に踏み込んだ後、家族の前でキンマウンラット氏に殴打を加え、銃を突きつけて連れ去った。翌朝、家族は当局の連絡を受け、病院から氏の遺体を引き取った。目撃者によれば、氏の遺体は手と背中に深い傷があり、遺体を覆う布は血まみれだったという。

「ミャンマー軍事政権は治安部隊を指揮しており、その気になればキンマウンラット氏の殺害犯をすぐに特定できる」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長ブラッド・アダムスは指摘する。「軍政が法の支配に信を置くことを証明したいのなら、責任者全員を訴追すべきだ。悲しいことに、ミャンマー治安部隊は、夜間の襲撃や残忍な虐待を使って恐怖を生み出し、国軍支配に対する民衆の抵抗を破壊することに熱心なようだ。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチへの目撃証言によると、午後9時15分に軍用トラック4台がアノーヤター通り29番地と30番地で停車した。第77軽歩兵大隊所属と確認されている兵士たちは一部がキンマウンラット氏の住む30番地に展開し、それ以外は29番地で待機した。この目撃者によると、午後9時15分から午後10時30分にかけて15発の銃声が聞こえた。軍用トラック4台すべては午後11時に現場を去った。

当局は3月7日午前7時30分頃、キンマウンラット氏の家族に連絡し、ミンガラドン国軍病院から氏の遺体を引き取るよう告げた。氏の遺体をムスリム式の葬儀に出す準備を手伝ったムスリム・コミュニティの一人は、背中と手には拷問と思われる深い傷があったと述べた。

同日夜、当局はヤンゴンのパペーダン区選出のNLD国会議員シトゥマウン氏の父ウー・ピーター氏をフライン区の自宅で拘束した。シトゥマウン氏の姉はSNSの投稿で、午後9時半頃に父親が「殴られ、引きずられていった」と書き込んだ。付近にいた警察官は家の裏に回り込んで逃げ道を塞ぐ一方、兵士30人が玄関先で銃を構えて立っていたという。氏の姉によれば、兵士たちは自宅に入ってきたとき、生後4ヶ月の赤ん坊にまで銃口を向けた。

現地NGO「ビルマ政治囚支援協会」(AAPPB)によると、2月1日の軍事クーデター以降、当局は政府関係者、活動家、ジャーナリスト、公務員など計1,700人以上を拘束した。治安部隊が拘束する約200人について、家族は居場所を知らされておらず、こうした事案が強制失踪化している。ワイニンプイントン氏によると、2月1日に警察に拘束された古参の民主化活動家である父親のミャエイ氏の所在を、家族は知らされていない。

強制失踪者は、そうでない被拘禁者よりも拷問や虐待の可能性が高い。当局は被拘禁者の所在を家族に知らせ、弁護士や親族ができるだけ早く面会できるようにし、48時間以内に裁判所まで連れてくるべきだ。明確な犯罪行為で起訴されていない人びとは釈放されるべきだ。

国連総会で採択された国連被拘禁者処遇最低基準規則(マンデラ・ルール)では、拘禁中のあらゆる死亡事案は、その死の「事情および原因につき迅速、公平かつ効果的な調査」が行われるべき、と定めている。超法規的、略式または恣意的処刑に関する国連特別報告者が指摘しているように、拘禁中という状況、および生命への権利の確保と尊重という政府の義務から国家責任が推定されるため、当該政府はこの国家責任の推定を退ける証拠を肯定的に提出しなければならない。責任がないことを示す証拠がない場合、政府には死亡者家族への賠償の義務を負う。

「血なまぐさい弾圧をエスカレートさせるミャンマー軍政に対し、国際社会は、国軍幹部と国軍企業への対象限定型制裁を実施するなど、真剣かつ統一的な対応を行い、キンマウンラット氏の殺害をはじめとする残虐行為に対する世界の激しい怒りを示す必要がある」と、前出のアダムス氏は述べた。「殺害と失踪が起きても責任者が野放しになってきた歴史には、はっきりと終止符が打たれなければならない。」

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