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Permanent premises of the International Criminal Court in The Hague, the Netherlands. © 2018 Marina Riera/Human Rights Watch

(ニューヨーク)―国際刑事裁判所(以下ICC)の多くの締約国が、ICCの重要な活動および政治圧力からの独立を守るために結束。世界各地の67カ国は2020年6月23日、米政権が6月11に発した大統領令に反対する共同声明を発表した。同令はICC関係者、そして捜査を支援するその他に対して、資産凍結および家族単位の渡航禁止の発動を可能にするもの。

共同声明に署名したICC締約国は、「独立し公正な司法機関である国際刑事裁判所への揺るぎない支持」を再確認し、「裁判所、その職員、および協力者に反対するいかなる措置または威嚇にもとらわれない」とするICCを創設した条約であるローマ規程に明記された価値を擁護することを改めて誓約。また、同条約に基づくICCの活動を支援するという誓約も改めて擁護し、すべての政府に裁判所と協力するよう求めた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの国際司法局局長リチャード・ディッカーは、「米国の主要な友好国を含む多くのICC締約国が、トランプ政権による事実上の脅迫を目の当たりにして、ICCのために声を上げた」と指摘する。 「この声明は、各国政府がICCの側にあり、米政府の見当違いな圧力に屈することはないという強力なメッセージとなっている。」

最悪の犯罪に対するアカウンタビリティ(責任追及)をはじめとする法の支配に基づく世界秩序に対する今日の困難な状況は、締約国がより強力にICCを支持しなければならない必要性を浮き彫りにしている。 ICCは内部の課題に直面しており、対応を迫られている。2019年12月には、裁判所とその活動を強化する再評価プロセスを導入することで、締約国各国が新たなコミットメントを表明したばかりだ。

今回の多数の締約国による共同声明の前にも、6月11日の米大統領令に反対して様々な声明が出されている。例えば、欧州連合の上級代表ICC締約国会議議長、複数の締約国や市民社会組織、ならびに米政府元高官数名および現・上院議員1名の声明が含まれている。

前出のディッカー局長は、「ICCへの多くの国の支持こそが、被害者のための法の裁きであるべきICCを攻撃するトランプ政権の理にかなわない行動の悪影響を阻止する鍵となる」と述べる。「締約国は今後も引き続き警戒すべきであり、米国のICCいじめというべき状況に対抗すべく、さらなる措置を講じる準備が求められている。」

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