(ブリュッセル) - ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリアやイラクで誘拐、虐待行為、および拷問に関与したとされる個人に対する、欧州諸国内での画期的な捜査・訴追をテーマにした動画およびQ&Aを2016年10月20日に発表。これら刑事事件の立件は、難民危機で被害者と被疑者がともに欧州へ避難してきたことで可能になった。
A Syrian man carries his two girls as he walks across the rubble following a barrel bomb attack on the rebel-held neighborhood of al-Kalasa in the northern Syrian city of Aleppo on September 17, 2015.
© 2015 Getty欧州の多くの国では、普遍的管轄権の原則により事件管轄がある。普遍的管轄権により、他国で起きた世界的にもっとも深刻な犯罪の一部を、各国の裁判所が訴追できるのだ。一連の訴追は、シリアとイラクの一般市民に対する残虐行為の当事者にその責任を問う、初の信頼できる試みといえる。シリアやイラクで起きた重大な人権侵害は、人道に対する世界の懸念事項であり、加害者はたとえ国外に逃れても訴追される可能性があるのだということを、この一連の訴訟手続きが示している。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの国際司法プログラム上級顧問バルキース・ジャラーは、「欧州諸国の一部は、シリア・イラク難民に対する犯罪が不処罰に終わらないという希望の光を、暮らしを引き裂かれた難民たちに与えている」と述べる。「普遍的管轄権に基づいた事件はまた、今後のあらゆる和平合意に法の裁きを含むための基盤強化にもつながる。」
本Q&Aは普遍的管轄権の原則がどのように機能するのかを解説し、これまで欧州各国で立件された事件の数々をまとめたもの。また、こうした試みをさらに強化するための情報も含んでいる。そして動画には、これらの手続きがどのように機能するのかを、専門家やシリア人活動家が説明したインタビューも含まれている。
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