(東京)— 40以上の主要人権団体および人権活動家から成る北朝鮮における「人道に対する罪」を止める国際NGO連合(以下ICNK)は本日、北朝鮮政府が国内外で行ってきた悲惨な人権侵害をめぐる国連調査メカニズムの新設に対する強い支持を日本政府が表明したことを歓迎する。
1月25日に全閣僚をメンバーとする拉致問題対策本部の会合が行われた。その際日本政府は、2013年2月25日からジュネーブで始まる第22回国連人権理事会会期で検討される北朝鮮決議案の文言に、新たな調査の委員会メカニズム設置を盛り込むべく、各国政府との調整を開始する旨を確認した。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗は「北朝鮮政府による人権侵害の被害者たちのための正義を求めるために日本政府が見せた指導力を高く評価する」と述べる。「日本政府は今こそ腕をまくって、この重要な調査委の遅滞なき設置にむけて、EUや米国ほか世界中の政府を説得する必要がある。」
日本政府の決定は2013年1月14日のナビ・ピレイ国連人権高等弁務官の声明に続いて行われた。ピレイ高等弁務官は声明で、世界で最悪の人権状況にある国のひとつでありながらほとんど理解されることなく、報道もされない北朝鮮について、重大な犯罪に対する本格的な国際調査を求めた。
国連人権理事会理事国は、新たな調査委の設置について日本政府がとるイニシアチブにしっかり応えるべきだ。今こそ北朝鮮の人権侵害を明らかにして被害者の苦難に終止符を打つために、世界各国の政府によるこれまでの働きをひとつにする時である。調査委が新設された場合、国連に任命された優秀で独立した専門家らにより、北朝鮮の組織的で広範な人権侵害の徹底的な調査が行われることになる。調査対象には、同国国内で推計20万人が恣意的に拘禁されている政治犯収容所内で行われている人権侵害や、韓国人、日本人ほか何百人にも上る外国国籍者の拉致問題も含まれる。北朝鮮国内では人権侵害を申し立てれば厳しい報復処罰を招くのが現状であることから、調査の際には脱北した人権侵害被害者からの情報が、中心的役割を果たすことになろう。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、国連調査委がいかに機能し、何をするのかなどについてよくある質問を詳しくまとめ、日・韓・英の3言語で発表した。
北朝鮮難民救援基金の加藤博理事長は、「あまりにも長い間、北朝鮮の人びとは孤独の中で苦しみ続けてきた。人びとの窮状は、国際社会の優先順位の最後尾に追いやられてきたのが現実だ」と述べる。「国連調査委員会は、自らの意思に反して同国で捕われの身となっている北朝鮮の人びとそして外国国籍者たちの受難に、光を当てることになろう。」
本連合の参加メンバーは以下のとおり:
-Advocates International Global Council
-Amnesty International/アムネスティ・インターナショナル
-Asia Justice and Rights
-Asian Federation Against Involuntary Disappearances
-Asian Human Rights & Humanity Association of Japan/アジア人権人道学会
-Burma Partnership (Thailand)
-Christian Lawyers Association for Paraguay
-Christian Solidarity Worldwide
-Committee for Human Rights in North Korea (USA)
-Conectas (Brazil)
-Council for Human Rights in North Korea (Canada)
-Freedom House (USA)
-Free NK Gulag (ROK)
-Free North Korea Radio (ROK)
-Han Voice (Canada)
-HH Katacombs (ROK)
-Human Rights Watch/ヒューマン・ライツ・ウォッチ
-Human Rights Without Frontiers (Belgium)
-Inter-American Federation of Christian Lawyers
-International Federation for Human Rights (FIDH)
-COMJAN (Investigation Commission on Missing Japanese Probably Related to North Korea) / 特定失踪者問題調査会(Japan)
-Japanese Lawyers Association for Abduction and Other Human Rights Issues in North Korea/北朝鮮による拉致と人権問題に取り組む法律家の会
-Jubilee Campaign (USA)
-Justice for North Korea (ROK)
-Kontras (Indonesia)
-Liberty in North Korea - LiNK (USA)
-Life Funds for North Korean Refugees (Japan)/ 北朝鮮難民救援基金
-Network for North Korean Democracy and Human Rights (ROK)
-NK Intellectual Solidarity (ROK)
-NO FENCE <Association for the abolition of concentration camps in North Korea> / ノー・フェンス(Japan)
-North Korea Freedom Coalition
-Odhikar (Bangladesh)
-Open North Korea (ROK)
-People In Need (Czech Republic)
-PSALT NK (Prayer Service Action Love Truth for North Korea)
-The Simon Wiesenthal Center
-The Society to Help Returnees to North Korea / 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(Japan)
-Students Alliance for Human Rights in North Korea (ROK)
-Young Defectors' Alliance for North Korean Human Rights (ROK)
-Yuki Akimoto, Burmainfo (Japan)
-Tomoharu Ebihara
-David Hawk, Visiting Scholar, Columbia University, Institute for the Study of Human Rights, and author of Hidden Gulag
-Ken Kato, Director, Human Rights in Asia/アジア調査機構代表加藤健(Japan
-Tomoyuki Kawazoe,Kanagawa Association for The Rescue of Japanese Kidnapped by North Korea /北朝鮮に拉致された日本人を救う神奈川の会 代表川添友幸(Japan)
-Suzanne Scholte, Seoul Peace Prize Recipient & Defense Forum Foundation (USA)
-Dr. Norbert Vollertsen