2月下旬、ヤンゴンでクーデター反対デモに参加しようとしていたミミさん(仮名)は、治安部隊から逃げやすいようにと、ジーンズにスニーカー姿を選んだ。しかし、拘束されたときのために生理用品を持ち歩くことはまったく頭になかった。
ミャンマーの警察と国軍は、2月1日の国軍クーデターに反対するデモ隊への取り締まりを強め始めていた。治安部隊が催涙弾を投擲しゴム弾を発射したことで、ミミさんは混乱に陥り、逃げ場を失った。
男性警察官7人が、地面に倒れたミミさんに殴る蹴るの暴行を加えた。「私が倒れると、1人が私を押さえつけ、他の6人がブーツで私を蹴りました」と、ミミさんは述べた。「それから警察のトラックに無理矢理乗せられました…。1人が私の頭を抑えつけると、別の警官が顔面を強く殴ったのです。」
ミミさん(23)は、身体への攻撃と逮捕時のストレスで生理がいつもより早く始まってしまったという。当局は最終的に、ミミさんを主要な刑務所であるインセイン刑務所に連れて行った。そこでは500人以上の女性が、通常は男性用の区画に収容されていた。そこにいた女性たちが使えたのは、水も流れずドアもない2つのトイレだけだった。ミミさんは女性刑務官に生理用ナプキンをくれるよう何度も求めたが、ジーンズが大量の血で染まるまで聞き入れられなかった。そして48時間後、ようやく1枚のナプキンが与えられた。
ミミさんは、屈辱的な体験のせいで出所後も悪夢にうなされるほどのトラウマを抱えており、ミャンマーには月経に関するスティグマがあり、女性を貶めるような扱いが存在するために、この話をオープンにすることはなかなか難しいとも述べている。
女性の被収容者たちは、ミャンマーの刑務所での「非人間的な」経験を報告し、刑務所が生理用品を提供しないため、月経時は不快で苦痛だと話す。クーデター以降、女性たちからは、警察や軍人からの性暴力をはじめとするジェンダーに基づく嫌がらせや屈辱的な取り扱いを受けたとの報告も寄せられている。
水が流れてプライバシーが確保されたトイレが十分に存在せず、生理用品が必要なだけ提供されない状態は、国際人権法に違反する品位を傷つける行為にもなりうる。ミャンマー当局は、成年および未成年の女性たちが尊厳を持って生理期間を過ごす権利を尊重すべきである。