(ジュネーブ)国連人権理事会は、北朝鮮決議を来月に審議する際、同国での人権侵害に関するアカウンタビリティ確保のための専門家パネルの設置を決議すべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチなど14団体が、パネル設置提案についての主な質問に答えるQA集とともに、理事国に宛てた本日付の共同公開書簡で述べた。人権理事会は、2016年3月に審議される北朝鮮決議の一部として専門家パネルの設置を検討の予定だ。

UN Special Rapporteur Marzuki Darusman addresses a news conference on the situation of human rights in North Korea in Geneva on March 16, 2015.

「北朝鮮指導部に国民への人権侵害についてメッセージを発するだけでは不十分だ」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのジュネーブ・ディレクター ジョン・フィッシャーは述べた。「人権理事会は、北朝鮮での人道に対する罪の被害者の側に立ち、アカウンタビリティと法の正義をできる限り追及する準備があることを明確にすべきだ。」

専門家パネルが設置されれば、北朝鮮での人権侵害の責任者について、その残虐行為のアカウンタビリティを確保する方法を明示した詳細な計画を策定する作業を担うことになろう。

2015年9月8日にマルズキ・ダルスマン国連北朝鮮人権状況特別報告者は、国連総会への最新の報告書をもとに、国連人権高等弁務官事務所が指名する専門家からなるパネルの設置を求めた。このパネルは、北朝鮮でのアカウンタビリティ確保を前進させるための具体的な勧告を行うものとなる。

国連安全保障理事会に対し、北朝鮮の事態を国際刑事裁判所(ICC)に付託するよう強く求めることは、依然として国際的な優先課題でなければならないと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。今回の人権理事会決議には、北朝鮮で数十年に及ぶ不処罰状態の解決に向けたより包括的な戦略が盛り込まれるべきだ。

北朝鮮の人権に関する国連調査委員会(COI)が2014年に発表した報告書は、人道に対する罪(殲滅、殺人、奴隷、拷問、拘禁、レイプ、強制堕胎、訴追、意図的な飢餓、強制失踪など)が「国家最高レベルでの政策による」ことを認定した。

COI委員会は、深刻な人権侵害の責任者についてアカウンタビリティ確保の重要性を強調。国連安全保障理事会は事態の深刻さを認識し、北朝鮮の過酷な人権状況を2年連続で正式議題としている。

国連人権理事会と国連総会はこれまでの決議で北朝鮮の人権状況を非難し、COI委員会の勧告に沿った形で安保理にICCへの付託を検討するよう呼びかけるなど、アカウンタビリティの必要性を強調してきた。しかし中国ロシアは、安保理常任理事国の権限を用いてICC付託を妨げている。

「今回の決議に専門家パネルの設置を含めれば、北朝鮮の数十年にわたる人権侵害について、野放し状態を終結させる道筋を、人権理事会がようやくつけることになる。人権侵害の規模、被害者のニーズ、理事会の威信の保持、いずれの面からも、専門家パネルの設置は必須である」と、前出のフィッシャー・ディレクターは述べた。