(ニューヨーク)-ヒューマン・ライツ・ウォッチのアフィリエーツ(支部)であるヒューマン・ライツ・ウォッチ・オーストラリア(HRWA)を、「寄附金控除対象団体(DGR)」として登録するというオーストラリア政府の決断は評価すべき前進である。2013年6月28日に国会法案によって制定されたこの登録は、HRWAが持続的に活動する基盤となるものであり、今後オーストラリア国内のHRWA支援者は税控除の対象となる寄付をすることが可能になる。

「政府がヒューマン・ライツ・ウォッチ・オーストラリアを寄附金控除の対象団体として登録したことで、私たちがオーストラリアの人権コミュニティの一員となれたことを大変嬉しく思う」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチ代表のケネス・ロスは述べた。「ヒューマン・ライツ・ウォッチは政府からの資金提供を一切受けず、私的な寄付のみで活動しているため、DGR登録は新設されたオーストラリアオフィスにとり極めて重要である。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは非営利かつ非政府の人権保護団体で、世界中で活動する約400人のスタッフにより構成されている。スタッフは様々な経歴の専門家・弁護士・ジャーナリスト・学者などで、47カ国の国籍を持っている。1978年設立のヒューマン・ライツ・ウォッチは、正確な事実調査を行い、公正で客観的な事実を報告し、メディアを効果的に利用しながら戦略的なターゲット アドボカシー(ロビイング/ 政策提言)を進めてきたことが評価されてきた。世界各地の現地の人権団体と密に協力しながら活動しており、世界約90か国の人権状況について、報告書やブリーフィングペーパーを毎年100本以上発表している。こうした情報は、現地メディアや国際メディアに広く取り上げられているほか、頻繁に政府・国連・メディアに対しブリーフィングを行なっている。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは長年にわたり、首都キャンベラやオーストラリアの在外公館で、同国の国内政策や外交政策に関し提言活動を行ってきた。オーストラリアは世界各地、とりわけアジア・太平洋地域で重要な人権保護国としての役割を果たしてきた。同国はまた、国連の各人権保護条約や諸機関、そして平和維持活動(PKO) に長年にわたり寄与しており、現在は国連安全保障理事会の非常任理事国でもある。これを見ても、国際的な人権保護の場において高まりつつあるオーストラリアの重要性は明らかであろう。

「今回のオフィス開設は、オーストラリア自らが国際的な責任を果たすのみではなく、他国にも同様にふるまうよう働きかけてもらうため、ヒューマン・ライツ・ウォッチが同国政府とさらに密接に活動することを可能にするものだ」と、前出のロスは述べた。

シドニーを拠点とするHRWAの新ディレクターには、パース出身のエレイン・ピアソンが就任する。HRWAオフィスが正式に開設される今年8月下旬に、活動を開始する予定だ。ピアソンは2007年よりヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理を務め、アジア全体の活動を統括しつつ、記者・政府関係者・国連幹部職員らに頻繁に情報提供を行ってきた。

人身売買と移民問題の専門家であるピアソンは、以前は国際労働機関(ILO)と国連女性開発基金(UNIFEM)でも勤務し、ロンドンの国際反奴隷協会(Anti-Slavery International) では、初の人身売買プログラムを率いた経験も持つ。多くの出版物にも頻繁に寄稿しており、英ガーディアン紙、ウォールストリート・ジャーナル紙、豪ジ・エイジ紙、豪シドニー・モーニング・ヘラルド紙、ヒューマンライツ・クォータリーなどに掲載されてきた。オーストラリア・パースのマードック大学で法律とアートの学士号、プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン公共政策大学院で公共政策の修士号を取得している。

「オーストラリアでヒューマン・ライツ・ウォッチのアフィリエーツを開設するのは大変名誉なことだ」と、ピアソンは述べた。「オーストラリア国内と周辺地域においてヒューマン・ライツ・ウォッチの活動範囲と影響力を広げるために、新しく設立されるオーストラリア・コミッティを中心とした現地の支援者と協力して、活動していくことを楽しみにしている。」