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ロサンゼルス市警の強姦被害者DNA証拠 放置問題: 解決に向けた取り組み開始

ロサンゼルス市当局は、ヒューマン・ライツ・ウォッチの事実調査やアドボカシーの結果、強姦被害者から採取した証拠の鑑定を迅速に行うための対策を開始しました。

DNA証拠は、強姦事件の犯人の訴追にとって決定的に重要な証拠。通常、性暴力の被害者の同意のもと、被害者の体内から採取されて「レイプ・キット」として保管されます。この経験は被害者たちにとってつらいものです。

それにもかかわらず、ロサンゼルス市警察で、実は、7,000個以上のレイプ・キットがDNA鑑定もなしに放置されたままとなっており、そのため、少なくとも217個が刑事裁判での証拠使用の時効10年を徒過してしまっていることを、ヒューマン・ライツ・ウォッチは突き止めました。また、同市警が受け取ったレイプ・キット鑑定用の連邦予算も使用されないままになっていることも突き止めました。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ロサンゼルス市当局者数十名に会ってこのDNA証拠の放置問題を解決するよう求めました。そして、論説記事を発表したり、LAタイムズに働きかけ、この放置問題の実情と強姦被害者たちにとっての影響に関するLAタイムズ社説の掲載も実現しました。こうした動きを受けて、ロサンゼルス市警察の署長は、DNAラボ特別調査班を設置。また、当初は未処理のレイプ・キットの数量の公開を拒否していたロサンゼルス保安官事務所も、ついに、5,000個の未処理キットがあることを認め、これらの鑑定を行うと発表するとともに、今後は、ヒューマン・ライツ・ウォッチの提言の通り、レイプ・キットの鑑定を迅速に行うよう対策をとるとしました。

米国 国立司法研究所の推定によると、全米の警察署や科学捜査研究所には、少なくとも40万個のレイプ・キットが未処理のまま放置されているとのこと。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、引き続き、全米の警察や政治家たちが、ことの重大性を理解し、強姦事件の犯人を突き止め処罰するという職責をしっかり果たすよう、求めて参ります。

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