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コロンビア:民兵組織との裏取引容疑の政治家に対する最高裁の捜査、継続へ

10月、コロンビアのアルバロ・ウリベ政権は、ヒューマン・ライツ・ウォッチが厳しく批判し続けてきた問題の法案を取り下げるに至りました。この法案は、国会議員には最高裁の管轄権が及ばないようにする法案で、民兵組織と政治家たちとのつながりを最高裁が捜査できないようにする法案でした。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、これまで、コロンビアの民兵組織が犯してきた人道に対する罪などの残虐事件を多数、調査・報告してきました。そして、コロンビア最高裁は、こうした民兵組織と裏で協力した容疑により60人以上の国会議員(ほぼ全員がウリベ連立政権側の議員たち)の捜査を開始し、実際に捜査は進展を遂げていました。

これに対し、2008年7月、ウリベ政権は、最高裁の管轄を狭める法案を提出して対抗。成立に向けて強力に動いていました。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、コロンビアの内務大臣と法務大臣に面会して本法案に反対する理由を伝えるとともに、我々の分析を報告書として公表する予定だと伝えました。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの本報告書は、コロンビア司法が、民兵組織のマフィア的ネットワークの影響を断つため、前例のない進歩を遂げてきたことやウリベ政権がこうした司法の進展の阻止をもくろみ様々な妨害を行ってきたことを詳細に報告。ウリベ大統領は、本報告書がボゴタで発表される2日前になって、突如、この問題法案を取り下げることを発表したのです。

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