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カンボジア:独立系メディアへのアクセスが遮断

政府、批判を先回りして検閲し、非民主的な政権移行への道を開く

Supporters of online media outlet Voice of Democracy (VOD) hold placards in front of VOD office in Phnom Penh on February 13, 2023. © 2023 Suy Se/AFP via Getty Images

(バンコク)カンボジア政府は、インターネット・サービス・プロバイダーに対し、主要な独立系メディア3社のウェブサイトやSNSアカウントへのアクセスを遮断するよう命令を出していると、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。政府は、カンボジア・デイリー紙ラジオ・フリー・エイジア(RFA)Kamnotraの3社へのアクセス遮断命令を撤回すべきである。

この措置は、2023年7月に出された指令に基づくもので、情報・視聴覚省が「王国政府の名誉と評判に悪影響を及ぼす、誤解を招くようなニュースを広め、情報省の定める(……)要件を満たしていない」と見なす報道機関のウェブサイトをブロックするよう求めている。

「独立メディアのウェブサイトを遮断し、カンボジア国民が政府支持一辺倒ではないニュースソースにアクセスできないようにすることは、フン・セン首相が民主主義の自由と表現の自由を完全に無視していることを示している」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理フィル・ロバートソンは述べた。「ドナーと外交団は、政府に対し、遮断措置を解除し、ニュースへのアクセスを検閲することを止め、メディアの自由を守るよう要求すべきである」。

RFAは7月17日付の声明で、「カンボジア政府がインターネット・サービス・プロバイダーに対し、オンライン・プラットフォーム上のRFAのコンテンツをブロックするよう命じたことを非難する。これはカンボジア国内法に明らかに違反しており、7月23日の総選挙を前に、情報の自由な流れを検閲しようとするものである」と発表した。

2018年5月、カンボジア政府は「ウェブサイトとソーシャルメディアの管理に関する省庁間プラカス(布告)」を定め、すべてのインターネット・サービス・プロバイダーに対し、監視ソフトを導入してインターネットに流通するコンテンツをモニタリングすることを義務付けた。この布告は、郵便通信省に対して「扇動や連帯の破壊、差別を招き、意図的な混乱を生じさせ、国家安全保障や公共の利益、社会秩序を損なうと見なされる(……)違法な(コンテンツ)」を含むすべてのウェブページやSNSページを「遮断または閉鎖」する権限を与えている。

こうした法律は、市民的及び政治的権利に関する国際規約の締約国としてカンボジア政府が負う義務に明らかに違反している。同規約では、表現の自由と情報の自由、プライバシーの権利が保障されている。

2月12日、フン・セン首相は、ボイス・オブ・デモクラシー(VOD)の母体であるカンボジア独立メディアセンターの運営免許を取り消すと発表した。この措置に先立ち、フン・セン首相は、長男で後継者のフン・マネ中将が、トルコ大地震後の財政支援策を(父の代理として)承認した高官だと報じた2月9日付のVODの記事に異議を唱えていた。

フン・セン氏と与党カンボジア人民党は、フン・マネ氏を父親の後継として首相に就任することを支持すると2021年に発表し、民主主義の基本原理を踏みにじっていると批判されてきた。2022年7月の憲法改正で、フン・マネ氏の首相就任は容易になっている。フン・セン氏はフン・マネ氏が8月22日に首相に就任すると発表したところだ。

2017年に政府がカンボジア・デイリー紙を閉鎖し、プノンペン・ポスト紙を政府に友好的な買い手に売却させたことで、カンボジアでの独立系メディアの役割はますます重要になっている。政府はまた、RFAの番組を放送していたFMラジオ局を閉鎖した。メディアの自由への攻撃は、2018年の総選挙に根本的な欠陥が生じる一因となった。また、今年7月23日の総選挙では、メディアが引き続き攻撃のターゲットとされることで、いっそう閉鎖的な環境が生じた。

フォルカー・テュルク国連人権高等弁務官は、2023年のカンボジア総選挙が厳しく制限された空間で実施されたことに懸念を示した。そして「こうした制限やその他の脅迫的措置は萎縮効果を生み、国民が、民主的権利の行使にあたり十分な情報に基づいた選択をしなければならないときに、信頼できるニュースソースや情報源にアクセスできない状況をもたらしていることを懸念」していると述べた。

「フン・セン氏は、息子のフン・マネ氏の首相就任をにらみ、あらゆる潜在的な批判を攻撃し、先回りして検閲しようと考えているようだ」と、前出のロバートソン局長代理は指摘する。「このような検閲は、次期政権が言論の自由とメディアの自由への弾圧を継続するという極めて懸念すべき兆候である」。

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