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ウクライナ:ロシアが禁止されている対人地雷を使用

地雷は民間人の生命を脅かし、復興を長期化する

POM-3 antipersonnel mines that failed to deploy and remnants of its delivery canister found by deminers in the Kharkiv region of Ukraine on or around March 28.  © March 2022, Private

(ベルリン、2022年3月29日)ウクライナで戦闘中のロシア軍が、東部ハリコフ州で禁止されている対人地雷を使用したと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日発表した。

この対人地雷は2022年3月28日、ウクライナの爆発物処理技術班が発見した。ロシアは、新たに敷設されたこの地雷を所有していることが知られている。この地雷は半径約16mで無差別に人を殺傷する能力がある。ウクライナはこの型式の地雷やその展開システムを保有していない。

「世界の国々は、ロシアがウクライナで禁止されている対人地雷を使用していることを強く非難すべきである」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの武器局長スティーブ・グースは述べた。「こうした兵器は戦闘員と文民(民間人)を区別せず、長年にわたって生命を脅かす元となる。」

1997年の対人地雷禁止条約は、対人地雷の使用、製造、貯蔵、移譲などを包括的に禁止している。ロシアは加盟164カ国に名を連ねていない。しかし、今回の事態は、本条約の非加盟国が対人地雷を加盟国の領内で使用する点で珍しい。ウクライナは1999年2月24日にこの条約に調印し、2006年6月1日に締結国となった。

ロシアが使用した地雷は新型のPOM-3(通称「メダリオン」)だ。振動センサーを搭載し、接近する人を感知して爆発物を空中に放つ。この地雷について公開されているわずかな情報によると、この爆発物が空中で爆発し、金属片を飛散させることで、半径16m以内に死傷者が出る可能性があるという。

POM-3は、敷設後一定時間(数時間から数日)経過後に地雷を破壊する自爆装置を備えているとされる。

地雷は、専用に設計された地上発射装置から発射されたロケットで展開されたと見られる。この様子が日付不明の動画として録画され、3月26日にソーシャルメディアに投稿された。発射に失敗したPOM-3地雷と一緒に写っている運搬用キャニスターの残骸にある文字から、2021年に製造されたことがわかる。

ランドマイン・モニター2021」によると、POM-3地雷を5~15km先から展開する専用のISDM Zemledelie-I式地雷敷設ロケットランチャーは、2021年のロシア軍の年次演習で初めて登場したという。対車両地雷もこのISDMランチャーで展開可能である。POM-3は、他のタイプのトラック搭載型ランチャーで近距離にばらまくこともできる。

2020年11月、ロシアは「本条約の目標を共有し、地雷のない世界を支持する」ものの、対人地雷を「ロシアの国境の安全を確保する有効な手段」と考えていると、国連総会で発言している

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ソ連/ロシア製対人地雷が、シリア(2011-2019)、ウクライナ(2014-2015)、リビア(2020)を含む30カ国以上で使用されていることを明らかにしてきた。これら地雷が用いられている紛争の多くで、ロシア軍が当事者となっている。

「ロシアによるウクライナでの対人地雷の使用は、この恐ろしい兵器の使用を禁じる国際規範に意図的に背くものである」と、前出のグース局長は述べた。

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