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ミャンマー:国軍記念日 残虐行為が浮き彫りに

軍に対するより強力な経済制裁・武器禁輸措置が必要

Military personnel participate in a parade on Armed Forces Day in Naypyidaw, Myanmar, Saturday, March 27, 2021. © AP Photo

(2022年3月25日、バンコク)– 2022年3月27日のミャンマー国軍記念日は、各国政府が、国軍の広範な人権侵害に対してより強力な行動を取る機会だ、とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。

関係各国政府は、軍関係者や、そのほかの高級将校、ならびに軍系企業に対して、経済制裁を強化する必要がある。また、国連安全保障理事会は、ミャンマーに対する国際的な武器禁輸措置を速やかに採択し、かつ同国の事案を国際刑事裁判所に付託すべきだ。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのミャンマー調査員マニー・マウンは、「他国の当局者がミャンマー国軍記念日式典に参加することは、国軍の残虐な弾圧を祝っていることと同じだ」と指摘する。「それより、国軍将官や軍系企業に対して制裁を発動するべきだ。」


2021年3月26日、ミャンマーの国営放送MRTVニュース局は、「(デモ参加者は)頭や背中を撃たれるという危険な目に会うかもしれないということを、先の醜い死の悲劇から学ぶべき」と発表。併せて、「両親も子供たちに[デモの参加]をやめさせ、人生を棒に振らないよう説得すべき」と警告した。この放送は、治安部隊が翌日の国軍記念日に計画されていた抗議デモに対し、武力行使をするサインであると、広く解釈された。

翌27日、ミャンマー治安部隊は163人ものデモ参加者を殺害した。2021年2月1日の軍事クーデターに対する全国的な抗議行動が起きて以来、もっとも死傷者が一番大きい日になったと考えられる。

クーデター以来、治安部隊は1,600人以上を殺害し、1万2,000人以上を拘禁してきた。かつ、50万人超が国内の避難民となったが、それに対し、軍事政権は集団的処罰の一手段として、困窮する人びとへの支援活動を故意に阻害してきた。ヒューマン・ライツ・ウォッチはこれまで、人道に対する罪、および戦争犯罪に相当する人権侵害を記録してきた。

2022年3月24日に発表されたFortify Rightsとイエール法科大学院のシェル国際人権センターによる共同報告書は、クーデター後の半年に、住民に対する人権侵害を命じた、または住民に対する犯罪に直接関与したとされる、国軍および警察の高官計61名を特定した。

ここ数週間、ミャンマー国軍の空爆と重火器の使用により、一般市民の生命および財産が失われたという報告が増えている。ミャンマーの人権に関する国連特別報告者は、各国政府による国軍への武器販売についてまとめた2月の報告書内で、ジェット機、攻撃用ヘリコプター、装甲車、軽砲・重砲、ミサイル、ロケット弾が、一般市民に対して使用されていると指摘。報告された攻撃のうち400件超は、ミャンマー北西部のザガイン地方域で発生した。近時の一般市民の犠牲の大半は、当該地域で起きている。報告書によると、2018年から一般市民の攻撃に用いられる可能性がある武器をミャンマーに売却してきた国には、ベラルーシ、中国、インド、イスラエル、パキスタン、ロシア、セルビア、韓国、そしてウクライナが含まれる。

また、日本を含む複数の国々は、長い人権侵害の歴史をもつ国軍との関係を断っておらず、未だに訓練している。2015年以来、ミャンマー国軍の士官候補生や士官は、日本の防衛大学校および自衛隊の施設で学術的・軍事的訓練を受けている。日本政府は当プログラムを直ちに中断し、そのほかの軍事協力関係も断ち切るべきだ。さもなければ、国軍の残虐行為の共犯者となるリスクを冒すことになる。

国連人権高等弁務官事務所は3月15日の報告書で、ミャンマー治安部隊の国際人権法・国際人道法違反を非難した。国軍が市民の頭部を撃ったり、焼死させたり、または恣意的に逮捕・拷問していたり、人間の盾として使ったり、意図的に一般市民を標的にしていると結論付けた。

米政府は3月21日、ミャンマー国軍がラカイン州のロヒンギャ・ムスリムに対して「ジェノサイドと人道に対する罪」を犯したと正式に認定した。米国など各国政府は、国軍によるロヒンギャ民族をはじめとする民族集団、及び軍事クーデターの抗議者に対する重大な国際犯罪に対して、法での裁きの手段を模索するべきだ。また、国軍指導部に対して、より強力な経済措置を発動すべきだ。

国連安保理は、中国やロシアの拒否権発動を懸念し、国軍の残虐行為に対して実効的な行動を取らずにいる。安保理は、武器禁輸措置を発動し、ラカイン州の事態を、国際刑事裁判所に付託すべきだ。

前出のマウン調査員は、「国連安保理は、ミャンマーの人びとの苦しみに終止符を打つ一助となるべく行動しなければならない」と指摘。「一方で、国連加盟国も、安保理の行動を見守っているだけではいけない。ミャンマーにおける法の裁きを促進するため、可能な限りの行動を、国連総会で取るべきだ。」

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