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北朝鮮の人権侵害に対する国連特別報告者による調査・検討要請に関する「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合」による共同声明

2012年10月3日、国連北朝鮮人権状況特別報告者マルズキ・ダルスマン氏が国連総会に合わせて公表した最新の報告書を、「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合(以下ICNK)」は評価する。ICNKはとりわけ、今年初めにワシントンDCで行われた北朝鮮に関する会議での意見・声明を、特別報告者が繰り返したことに注目。彼は「朝鮮民主主義人民共和国におけるはなはだしい人権侵害は数十年の間に、国連組織内の団体を含む様々な機関・団体・個人によって詳細に取りまとめられている」ことを強調すると共に、さらに各国および国際社会に、「人権侵害の根本的なパターンや傾向を把握し、より詳細な調査のメカニズム設定を検討するために、関係文書の包括的な見直しに着手する」よう要請した。

2012年9月13日付の報告書は、北朝鮮の人びとが直面する、慢性的食糧不足を含む人権・人道・経済危機について述べる。また報告書は、国連特別報告者が「人道に対する罪に相当する可能性がある」とする、広範かつ組織的な人権侵害を強調する。特に、政府による差別政策について強調し、現在、この政策により拘束されているすべての個人を解放するよう呼びかける。北朝鮮の人びとを「核心」、「動」、「敵対」に分け、「動揺」と「敵対」にあたる人びとに対し、食糧援助、人道援助、雇用、教育を受ける機会の提供に制限を加え、あるいは拒否するという、政府が社会に課している「出身成分」・階級制度についても、浮き彫りにする。

更に報告書は、北朝鮮指導者の金正恩氏が最近出した声明に言及し、「彼の第1第2第3番までの優先事項は軍の強化だった」とすると共に、北朝鮮憲法は2012年6月に修正され、自国を核兵器保有国であると宣言するようになったが、「憲法を国際人権法に沿うようには改正しなかった」と指摘する。

国連特別報告者は、2011年12月17日に金正恩氏が父親を継いだ後も、同国の「悲惨な人権状況」の改善はみられないと結論付ける。

また特別報告者は、中国が行っている強制送還は、ノン・ルフールマン原則に違反しており、北朝鮮を脱出した人びとは、その理由が経済的であれ政治的であれ、「脱出した先」で国際法上難民とみなされ得るとした。

ICNKは、国連および国際NGOが過去数年にわたって集積した信頼に足る証拠を、国際社会が再評価すべきだという特別報告者の勧告を強く支持する。人道に対する罪に関する国連調査委員会を立ち上げることを念頭に、そうした作業が行われるべきだ。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理フィル・ロバートソンは、次のように述べる。「特別報告者の報告書で、国連加盟国は北朝鮮における人権危機の重大性に関し、疑問の余地がなくなったはずだ。生活のあらゆる面において北朝鮮の人びとは、自らの政治的階級を理由に食糧配給を拒否され、連座制他の悪弊により投獄されるなど、残酷な人権侵害に直面している。国連が特別報告者の助言を聞き入れ、すべての証拠を再調査し、『人道に対する罪』に関する正式な国際的調査を立ち上げる時が来ているのだ。」

クリスチャン・ソリダリティ・ワールドワイドの東アジア・チームリーダー、ベネディクト・ロジャースは次のように付け加える。「特別報告者は北朝鮮を訪問するため、価値あるそして粘り強い試みを何度もしているが、政府は彼の入国を拒んできた。それにもかかわらず、同国から脱出した多くの北朝鮮人の証言で確かに裏付けられた報告書をまとめた。今や、国際調査が長年の懸案であることは明らかである。世界で最も閉鎖的な国の中で、国際的圧力なしで不処罰をなくす見込みはない。そのため国連は、緊急課題として、おそらく世界で最も深刻な人権状況に取り組むために、国連の価値観に忠実に加盟国全体の意思を形成する時だ。」

アムネスティの東アジア担当調査官のラジブ・ナラヤンは次のように述べる。「特別報告者の報告書は、国民が人権のほぼすべてを侵害され苦しみ続けている、北朝鮮の恐ろしい人権状況をタイムリーに想起させた。国連加盟国は、特に特別報告者の、国際法に觝触する広範かつ組織的に行われている投獄、あるいは他の重大な自由剥奪が『人道に対する罪』を構成しうる、という評価をフォローアップし、関連文書の総括レビューを行い、より詳細な調査のメカニズム確立を検討すべきだという特別報告者の勧告を支持すべきである。」

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