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コソボ:独立系ジャーナリストを保護せよ

政府は脅迫を非難し報道の自由を守るべき

(ブリュッセル)-コソボの大統領と首相は、政府から多額の広告収入を得ている新聞に掲載された独立系ジャーナリスト、エタ・クサラ(Jeta Xharra)に対する最近の脅迫記事を強く非難するべきである、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。彼女への脅迫は、コソボでメディアの自由が脅威に曝されつつあることを示す事件の中で、最新の事件である。

脅迫記事を掲載したインフォプレス(Infopress)新聞は、政府よりの新聞と考えられている。同紙は、最近の論説でクサラをセルビアのスパイと批判し、別の社説では「ジェタは、自らの行動により、自分の命を短くしようとしている」と述べた。

「これらの脅迫に、政府に都合が悪い内容のジャーナリズムや調査報道を、沈黙させようとする狙いがあるのは明らかだ」、とヒューマン・ライツ・ウォッチの西バルカン調査員ワンダ・トロスズィンスカ-ヴァン・ジェンダレン(Wanda Troszczynska-van  Genderen)は述べた。「大統領と首相は、これらの行為に関わっていないことを明確にするとともに、ジャーナリストへの脅迫を徹底的に捜査すると明確にする必要がある。」

クサラは、バルカン調査報道ネットワーク(BIRN:Balkan Investigative Reporting Network )のコソボ局長で、政府が運営するラジオ・テレビ・コソボ(RTK)の人気番組「コソボの生活(Life in Kosovo)」(時事問題の番組。毎週放送)の司会である。同番組は、政府の汚職、刑事司法制度の機能不全、コソボ解放軍による犯罪疑惑など、コソボで論議を呼んでいる様々な話題を報道してきた。

親政府系新聞のインフォプレスは、クサラを批判する一連の記事や論説を掲載し、彼女に対する脅迫の先導を切ってきた。彼女には、正体不明の差出人から脅迫メールや殺人の脅迫状も送られている。6月5日付けのインフォプレス論説は、クサラを「罰するとても忠実なアルバニア人と握手するのは誉れだ」と述べている。

クサラに対する近時の脅迫がはじまったのは、コソボでの報道の自由に関する番組の放映の後のことだった。この番組では、政府広告がメディアにどの様に影響しているのか、そのほか、政府に対して不利な報道をしたジャーナリストが解雇されている実体について検証していた。この番組では、ハシム・サチ首相率いるコソボ民主党が掌握しているスケンデライ(Skenderaj)の自治体の文化会館の外で、正体不明の武装した男がクサラと女性カメラマンを襲い、撮影映像を奪ったという事件を取り上げた。クサラは、この事件の前にスケンデライの自治体事務所への立ち入りを拒否されており、彼女たちが事件を警察に申し立てたところ、警察は町の端まで彼女たちを連行していってしまった。

コソボのNGOのグループ、現地メディア、および野党の政治家は、国際社会を代表するコソボ特使であるピーター・フェイス(Pieter Feith)と同様に、クサラに対する脅迫を非難してきた。

「コソボ政府を政治的、または、財政的に支援している国家、とりわけ米国は、報道の自由を順守するよう当局に働きかけるべきである」とトロスズィンスカ-ヴァンは述べた。「社会からの非難をよそに、メディアの自由の侵害や、許されないジャーナリストに対する危険な脅迫について、コソボ政府の誰もはっきりとした意見を述べていない。そして、スケンデライでの明らかなBIRNジャーナリストに対する襲撃の捜査も行われていない。」

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