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ヒューマン・ライツ・ウォッチの提言に沿って、ドイツ法務省は、ドイツの普遍的管轄権法が適用されるジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪の捜査を担当するポストを3つ、検察庁に新設しました。加えて、ドイツ連邦警察庁は、国際犯罪を担当する7人の捜査官からなる戦争犯罪捜査・ 特別本部を設置します。ドイツは、2002年以来、世界で最も先進的な普遍的管轄権法を有していますが、同法に基づき立件された事件は少なく、訴追に至った例に至ってはまだ皆無です。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ドイツ政府に、普遍的管轄権法をしっかり実施するよう、強く要請しています。ヒューマン・ライツ・ウォッチの要請により開催された議会の審理で、私たちは、普遍的管轄権法の事件を捜査するための人材や予算の増加を支持すると証言しました。
 
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、これまでに何年間も、欧州での普遍的管轄権の発展をフォローしています。2006年、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、欧州8カ国での普遍的管轄権に関する法と実務を調査して、「欧州での普遍的管轄権:法の発展の最前線」を出版。ドイツなどの欧州各国に対し、普遍的管轄権の事件を捜査・訴追するため、予算・専門性とスタッフがしっかり整った部署を設立するよう提言していました。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、世界で最も重大な人権犯罪を犯した責任者たちに対する法による裁きを現実に実現するため、ドイツがこうした重要なステップを取ったことを歓迎しています。

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