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日本の「人質司法」を終わらせる

未決勾留中の人権侵害を終わらせるため、政府は行動を

2023年6月30日、大阪にて開催された、ヒューマン・ライツ・ウォッチとイノセンス・プロジェクト・ジャパンによる共同プロジェクト「ひとごとじゃないよ!人質司法」の発足イベント。 © 2023 Kanae Doi/Human Rights Watch

ヒューマン・ライツ・ウォッチとイノセンス・プロジェクト・ジャパンは本日、日本の「人質司法」を終わらせるため、共同プロジェクト「ひとごとじゃないよ!人質司法」を立ち上げました。このプロジェクトは、制度改正を政府・国会等にはたらきかけるとともに、イベントや対話を通じて世論に実情を知らせていく活動です。

日本では、刑事事件の容疑者が未決勾留で深刻な人権侵害を受けています。例えば、黙秘権の否定、弁護人の立ち会いなしでの取り調べ、再逮捕の繰り返しによる自白の強要、保釈の否定など。裁判になれば有罪率は99パーセント以上です。

本日のプロジェクト発足イベントで話をした、日本の大手不動産会社プレサンスコーポレーションの創業者で元社長の山岸忍氏は、そうした中で、無罪判決を勝ち取った数少ない人物のひとりです。

山岸氏は2019年12月に逮捕され、業務上横領の容疑で起訴されました。日本法では、起訴前に容疑者を最大23日間勾留することが認められており、その間、勾留された容疑者は保釈を請求することもできず、ひたすら取り調べを受けることを余儀なくされます。そんな中でも山岸氏は無実を主張し続けられましたが、すでに逮捕されていた部下や取引先はそうではありませんでした。検察官から、勾留中に連日取り調べを受けて脅迫、恫喝、暴言を吐かれ、とうとう、山岸社長も横領に関与していたという「自白」調書に署名させられてしまったのです。

起訴後、山岸氏の保釈申請は6度も却下されました。裁判所は自白しない被告人の保釈は認めないのが通例です。「ここから出るには虚偽自白をするしかないのだと思うと、精神的に大変つらい248日間でした」と山岸氏は振り返ります。冤罪を晴らすのに逮捕から2年を要しましたが、その過程で山岸氏は社長を辞め、創業した会社も手放さざるを得ませんでした。

このひどい「人質司法」は、来る日も来る日も多くの人の人生をむちゃくちゃにし、家族をばらばらにしており、そして冤罪も生み出しています。日本政府は、公正な裁判を受ける権利を保障するため、そして、警察官や検察官にみずからの行動の責任をしっかりと負わせるため、大幅な改革を早急に行うことが必要です。

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