LGBT rights activists from across the Middle East and North Africa bring you on a journey of self-discovery, solidarity and strength.

(ベイルート) - 中東および北アフリカ地域のアラビア語圏に生きるレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(LGBT)活動家たちが、国家的弾圧や社会的汚名に立ち向かっている、とヒューマン・ライツ・ウォッチおよび「自由と平等のためのアラブ財団 」(以下AFE)が本日発表の動画シリーズおよび報告書内で述べた。

報告書「大胆さをもって逆境に立ち向かう:中東と北アフリカにおけるLGBT運動」(全75ページ)および動画シリーズ「もう独りじゃない」では、活動家たちが、自らの経験やどのように運動を組み立ててきたかを語っている。地域のLGBTの人びとが偏見に立ち向かい、かつ孤立しないよう、ヒューマン・ライツ・ウォッチとAFEが協力し、アラブ語圏のLGBT活動家たちが自分自身を受け入れた旅路をとらえた動画を制作した。本動画シリーズを通じて、活動家たちがアラブ語圏全域のLGBTの人びとに対し、支援と励ましのメッセージを発信している。

在アルジェリアのゲイ活動家ゾヒールさんは、「私たちはもはや被害者というイメージを望んではいません」という。「現実を語りたいのです。暴力についてだけでなく、前向きな[側面もみせたい]。」

本報告書は、2017年7月〜2018年3月、中東および北アフリカ地域のアラビア語圏16カ国の活動家34人に対して行った聞き取り調査に基づく。また10カ国の活動家およびアーティスト18人が動画シリーズに参加した。

活動家たちは、LGBTの若者が自分のために立ち上がるよう後押しする。レバノン出身のバイセクシュアル女性リマさんは、地域のバイセクシュアルおよびレズビアンの女性たちに向けて、次のように伝えている。「宗教関係者、政府、あなたの両親 、誰もが2本の脚の間のことについて意見を言いたがる。でも私はこう言いたいのです。あなたの体、欲求、思考はあなただけのものだと。他人がそれを好きじゃないというのなら、それはその人が間違っています。」

地域の活動家たちは自らの権利も主張する。リビアのゲイ男性アーメドさんは、「私は他のみんなと同じ人間です。私にも権利がある。だからそれを守るつもりです」 と語った。

動画の発表に際し、ヒューマン・ライツ・ウォッチは報告書内で地域全体のLGBT運動のレジリエンスを強調。同性愛行為の犯罪化やジェンダー不適合、恣意的逮捕および虐待行為、トランスジェンダーへの認識不足、暴力、表現・結社の自由の制限、家族からの拒否や社会的烙印など、活動家がつきあたる深刻な壁について詳述している。

オマーンではある活動家男性が、友人たちとのささやかな活動の始まりについて詳述した。それは「安全な場所でゲイ男性同士が出会い、つながれるパーティを催し、その後互いに助け合えるようにする」というもの。クエートではあるトランスジェンダー活動家が、LGBTの人びとにデジタル上のセキュリティについての研修を各自の家で行った。ヨルダンでは、多くの活動家が演劇などの芸術を用いて、LGBTコミュニティはもちろん、一般に向けても性的指向や性自認についての認知を高める活動をしている。

本報告書は、中東および北アフリカの多くの地域で、LGBTの人びとに影響を及ぼす深刻かつ広範な人権侵害が起きていると明らかにした。こうした人権侵害は、超法規的殺人から大量逮捕、LGBTに好意的な言論の検閲まで様々だ。

ヒューマン・ライツ・ウォッチが本報告書を作成中の2017年9月、エジプト治安部隊がLGBTの人びとの一斉取締りを行った。治安部隊は、人びとがあるコンサート会場でLGBTの人びとへの連帯を示すレインボーフラッグを掲げたことを受け、数十人を「淫行」「淫行の扇動」「違法集団」への参加の容疑で逮捕。しかし活動家たちはこのような困難な状況においても、取締りに対応する新たなグループを設立し、警察に追われたLGBTの人びとに緊急シェルターを提供したり、エジプト政府への国際的な圧力を促したりして対応した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチとAFEは、動画シリーズと報告書が地域全体のLGBTの人びとを勇気づけ、支援団体にリーチアウトするようになることに期待を寄せている。

レバノンのバンドMashrou 'Leilaのリードボーカルで、ゲイであることを公表しているハメド・シノ(Hamed Sinno)さんは、「[若い人に向け]若いときは確かに大変です。そしてそれは今後も続きます。でも少しずつ楽になっていくんです」と語った。