Burmese security forces have committed widespread rape against women and girls as part of a campaign of ethnic cleansing against Rohingya Muslims in Burma’s Rakhine State.

(ニューヨーク)― ビルマでは、ラカイン州のロヒンギャ・ムスリムに対する民族浄化作戦の一環として、治安部隊による成人女性と少女への大規模なレイプが行われていると、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。

「身体中が痛い」:ビルマ ロヒンギャ成人女性と少女への性暴力』(37頁)は、ビルマ国軍によるロヒンギャ成人女性と少女への集団強姦など、暴力的でむごたらしく、辱めを与える様々な行為を明らかにした。多くの女性が、年端のいかない自分の子、伴侶、親が殺された現場に居合わせたときの様子を詳しく語った。レイプのサバイバーは、バングラデシュに脱出する際に性器の腫れや傷を感じながら、激しい痛みに耐えて何日も歩いたと口にした。

「レイプは、国軍のロヒンギャに対する民族浄化作戦が示す、顕著で破壊的な特徴の1つだ」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの女性の権利・緊急対応部門調査員で本報告執筆者のスカイ・ウィーラーは述べた。「ビルマ軍の残酷な暴力行為によって、数え切れないほど多くの成人女性と少女が心身両面に激しい傷を負っている。」

Rohingya women refugees who crossed the Naf River from Burma into Bangladesh continue inland toward refugee camps. Tek Naf, Cox's Bazar district, Bangladesh. 

 

© 2017 Anastasia Taylor-Lind

2017年8月25日以来ビルマ軍は、ラカイン州北部のロヒンギャ・ムスリムが住民の大半を占める村落のうち数百カ村で殺害、レイプ、恣意的拘禁、民家への大規模放火を行い、隣国バングラデシュには60万人以上のロヒンギャが避難している。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、一連の人権侵害が国際法上の人道に対する罪に該当することを明らかにした。国軍の軍事作戦のきっかけは、武装集団「アラカン・ロヒンギャ救世軍」(ARSA)による8月25日の襲撃事件だった。ARSAは治安関連施設30カ所と軍基地1カ所を襲撃し、ビルマ側の治安要員11人を殺害した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、バングラデシュに逃れたロヒンギャ成人女性と少女52人に話を聞いた。うち29人がレイプのサバイバー、3人が18歳未満の少女だ。また人道援助団体や国連機関、バングラデシュ政府の代表者19人にも聞き取りを行った。聞き取りに応じたレイプのサバイバーの出身は、ラカイン州の19の村落である。

ビルマ国軍兵士による成人女性と少女へのレイプは、村落への大きな襲撃の最中と、その数週間前、嫌がらせが繰り返された後の時期のどちらでも起きていることが、ヒューマン・ライツ・ウォッチにより明らかになった。どの事例でも、レイプ実行者はビルマ治安部隊の制服を着た隊員で、ほぼすべてが軍人だった。ラカイン民族の村民は、ビルマ軍と明らかに共謀して、ロヒンギャ成人女性と少女への性的嫌がらせを行った。略奪が共に行われた場合が多い。

マウンドー郡ハティ・パラ村のハラ・サダックさん(15)は、兵士たちに服を奪われ裸にされ、家近くの木まで引きずり出され、そこで本人の推測によれば男性10人に背後からレイプされたという。「現場に置き去りにされていたところを、家族が来て助けてくれました。そこに倒れていて、もう息がないように見えたそうです。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチに報告されたレイプ被害は、1件を除くとすべて集団強姦だった。そのうち6件で、サバイバーたちは、兵士たちがロヒンギャ成人女性と少女を集めていくつかのグループに分け、複数または単独による強姦を行ったと話している。聞き取りに応じた人の多くが、家族が兵士に殺されるところを目撃したことが、襲撃に関する出来事で精神的なダメージが最も大きかったと語った。人びとは、兵士が幼い我が子の頭を木に叩きつけ、子どもや老親を火が燃えさかる家に投げ込み、夫を銃殺したときの様子を話してくれた。

バングラデシュ国内で難民支援を行う人道団体からは、数百件のレイプが報告されている。しかしこれは実態のごく一部にすぎない可能性がかなり高い。報告の中でも殺害されたレイプ被害者がかなりの数になること、被害者が性暴力を報告するにあたり、とくに人がひしめく急造の医療施設ではプライバシーがないも同然のこともあって、激しいトラウマにより報告に後ろ向きになるといった事情があるからだ。聞き取りに応じたレイプのサバイバーの3分の2は、当局や人道団体に自分のレイプ被害を報告していなかった。

多くが心的外傷後ストレス障害や鬱の症状に苦しみ、膣の裂傷や出血、細菌感染などの手当が行われていないことを訴えている。

「このぞっとするような危機的事態の悲劇的側面の一つは、ロヒンギャ成人女性と少女が必要な医療を受けることなく、心身両面に負ったとても深い傷に苦しめられていることだ」と、ウィーラーは指摘する。「バングラデシュ当局と援助団体には、ロヒンギャへのコミュニティ・アウトリーチを強化して、人権侵害を報告できるような信頼感のある場を作り、性暴力にまつわるスティグマを減らすことが求められている。」

国軍による性暴力の証拠は増えつつあるが、ビルマ当局はこれを退けている。2017年9月、ラカイン州の国境問題担当相は一連の報道を否定した。「どこに証拠があるんですか」と、この閣僚は述べた。「ああいう主張をしている女性たちをよく見てくださいよ。レイプしたいなんて思う人はいないでしょう?」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ラカイン州北部で2016年後半に国軍が行った「掃討作戦」で成人女性と少女へのレイプが広範に行われたことを立証したが、ビルマ政府はこれを「フェイク・レイプ」と冷淡に切り捨てた。より広く言えば、政府と国軍は民族的マイノリティへの深刻な人権侵害行為について軍人の責任を問わずにきた。不十分で偏見に満ちたラカイン州に関する調査いくつも行われてきたが、こうした人権侵害行為の訴えはおおむね退けられている。

ビルマ政府はロヒンギャへの暴力行為を直ちに停止し、国連人権理事会が設置した事実調査団などの国際調査団と完全な協力体制を築くとともに、ラカイン州での人道援助団体の活動に加えている制限を全廃すべきだ。

バングラデシュと国際ドナーは難民支援で迅速に行動し、レイプのサバイバーへの支援を拡大させている。関係国はさらに、人権侵害行為に関与したビルマ国軍幹部のビザ発給拒否と資産凍結、すべての軍用物資と軍事支援・協力を対象とする、既存の武器禁輸措置の拡大、そして主要なビルマ国軍所有企業に関する金融取引停止といった措置を実施すべきだ。

国連安全保障理事会はビルマに対し、完全な武器禁輸措置と、性暴力などの重大な人権侵害に責任をもつ国軍幹部への個人制裁措置を科すべきだ。安保理はまたラカイン州の状況を国際刑事裁判所(ICC)に付託すべきである。このほか、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプから戻ったばかりの、紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表による公なブリーフィングを求めるべきだ。

「国連機関と加盟国は一致協力し、残虐行為の停止、責任者の法的責任の確実な追及、性暴力被害者を含む、ロヒンギャが直面する数々の問題への対処を、ビルマに強く働きかけるべきだ」と、前出のホイラー調査員は述べた。「今こそビルマ政府に結果を引き受けさせるべきだ。そうでなければ、ビルマ国軍のロヒンギャ住民へのさらなる攻撃が避けられないものになってしまう。」

インタビューからの証言抜粋

  • Fatima Begum, 33, was raped one day before she fled a major attack on her village of Chut Pyin in Rathedaung Township during which dozens of people were massacred. She said: “I was held down by six men and raped by five of them. First, they [shot and] killed my brother … then they threw me to the side and one man tore my lungi [sarong], grabbed me by the mouth and held me still. He stuck a knife into my side and kept it there while the men were raping me. That was how they kept me in place. … I was trying to move and [the wound] was bleeding more. They were threatening to shoot me.”
  • Shaju Hosin, 30, saw one of her children killed when she fled their home village of Tin May, Buthiduang Township. She said: “I have three kids now. I had another one – Khadija – she was 5-years-old. When we were running from the village she was killed, in the attack. She was running last, less fast, trying to catch up with us. A soldier swung at her with his gun and bashed her head in, after that she fell down. We kept running.”
  • After her village was attacked, Mamtaz, Yunis, 33, and other women and men fled to the hills. Burmese soldiers trapped her and about 20 other women for a night and two days without food or shelter on the side of a hill. She said the soldiers raped women in front of the gathered women, or took individual women away, and then returned the women, silent and ashamed, to the group. She said, “The men in uniform, they were grabbing the women, pulling a lot of women, they pulled my clothes off and tore them off…. There were so many women … we were weeping but there was nothing we could do.” 
  • Isharhat Islam, 40, was raped by soldiers during military operations in her village Hathi Para (Sin Thay Pyin) in October 2016 and then again during the recent military operations. She described the stigma she faces, saying, “I have had to deal with disgust, others looking away from me.”
  • Three of Toyuba Yahya’s six children were killed just outside her house in Hathi Para (Sin Thay Pyin) village in Maungdaw Township. Then seven men in military uniform raped her. She said that soldiers killed two of her sons, ages 2 and 3. by beating their heads against the trunk of a tree outside her home. The soldiers then killed her 5-year-old daughter. She said: “My baby … I wanted him to be alive but he slowly died afterward … My daughter, they picked her high up and then smashed her against the ground. She was killed. I do not know why they did that. [Now] I can’t eat, I can’t sleep. Instead: thoughts, thoughts, thoughts, thoughts. I can’t rest. My child wants to go home. He doesn't understand that everything has been lost.”