トルコ・シリア国境にはふたつの壁が立ちはだかっています。

At Tal Abyad –Akçakale border crossing, in June 2015, Turkish border guards manning Turkey’s closed border watched ISIS fighters order displaced Syrian civilians back from the border.

ひとつはトルコ国境警備隊という人間の壁。もう15カ月になるトルコの国境封鎖のためです。警備兵は時に、シリアから難を逃れてトルコに入国しようとする庇護希望者たちを銃撃したり、暴行しているとの証言が目撃者から寄せられていますが、トルコ政府はこれを強く否定しています。

もうひとつは国連を含む国際社会の沈黙という壁です。国際法では、庇護を求める人びとを、命や自由が危険にさらされる場所に追い返してはならないとされています。これには国境での入国拒否も含まれますが、違反するトルコに国際社会は目をつぶり続けています。

2つの壁により、16万5,000人にものぼるシリア避難民が身動きの取れない状態に陥っています。トルコのÖncupınar/Bab al-Salameh国境検問所のすぐ南にある、人びとで溢れる仮避難キャンプや空き地、そして近郊のシリア・アザズの街中かその周辺で足止めされ、逃げ場を失っているのです。

4月にはISISの侵攻でアザズが攻撃され、その東に点在していた約10の仮避難キャンプにも危険が及んで3万人が脱出をはかりました。その後キャンプのひとつが空爆され、少なくとも20人以上が犠牲になり、37人以上が負傷。そしてトルコ国境警備隊は、こうしてISISから逃れ国境に近づいてきた人びとに発砲したのです。

現在この地域で活動している人道支援機関によると、5月24日〜27日には、アザズ東部へのISISの新たな攻撃を逃れて4万5,000人が脱出をはかり、街周辺で立ち往生しています。もしトルコ国境が開放されれば、16万5,000人全員がトルコで庇護を望むことは間違いない、と人道支援機関関係者は言います。

国際社会はISISとの闘いについては語るものの、ISISから逃れてきた人びとの基本的権利に関しては深く沈黙しています。寛大にもトルコは250万人超のシリア人をこれまで迎え入れてきました。だからといって、危機に瀕したそのほかのシリア市民を国境で追い返す権利を得たということにはならないのです。

EU とトルコの間の合意枠組みは、EU加盟国に渡ろうとするシリア人などの難民や庇護希望者をトルコ内に留めることを目的としています。EUは戦争と迫害から逃れてきた人びとに背をむけるのをやめ、安全にEUで保護を受けられるよう手を差し伸べねばなりません。