国際労働機関(ILO)にストライキ権を認めさせまいとする取り組みを雇用主側が止めたことは、労働側の大きな勝利でした。しかし残念なことに、現状は長続きしないかもしれません。雇用主側は労働者の権利をめぐる長年の戦いで、新たな前線を開くかもしれないからです。 

2年間有効の合意が2月24日に成立し、ILO専門家委員会でのストライキ関連事件の協議を雇用主側がボイコットする事態は終わりました。これによりILOは、ストライキに関する各国政府の政策と現実の対応を引き続き審査できるようになりました。雇用主側は協議への反対を取り下げたものの、ストライキ権はILO諸条約の基本権には含まれていないと引き続き主張しています。しかしILOは何十年も前からストライキ権を認めているのです。

アメリカが珍しく力強い声明を発表したことで、妥協への道が開けました。アメリカはそれまでのあいまいな態度を止め、ストライキ権を「労働者と労働者による組織が、労働者の経済的・社会的利益を促進・擁護するために必要不可欠な一手段」として強力に擁護しました。労働側は今回の合意を歓迎し、紛争を国際司法裁判所に付託する計画を見合わせました。 

しかし今回の新たな合意は、早くも今週に試練にさらされるでしょう。ILOの特別機構である結社の自由委員会が、新たに一連の苦情申立と事案を扱うからです。ここにはストライキ権に関する事案も含まれています。一部オブザーバーは、雇用主側が同委員会にはこうした事件を扱うマンデートと能力がないと主張することを危惧しています。専門家委員会で同じことが行われました。もしこうした事態が起きれば、ILOの監督機構が半分麻痺してしまいます。

新たな合意は、専門家委員会と結社の自由委員会の双方を対象としてこそ、ILOはストライキ権に関する役割を果たすことができます。アメリカなど各国政府はストライキ権を、またとくに今回の紛争が結社の自由委員会に飛び火した場合には、ILOの監督機構をも引き続き強く支持すべきです。ストライキ権はきわめて重要であり、その否定は労働者にきわめて深刻な帰結をもたらします。その骨抜きを目指し続ける雇用主側の動きを放置してはならないのです。