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強力な国家を相手に闘う活動家たちの多くは、その困難な道のりに心をすり減らすものだ。しかし、スリランカの人権活動家、ルキ・フェルナンド氏は違う。スリランカ政府が人権侵害のアカウンタビリティ(説明責任・真相究明)実現をかわさんと見苦しい努力を払うなか、これを愚の骨頂として笑い飛ばす力を決して失っていない。同国政府は、2009年初頭にタミル・イーラム解放のトラ(LTTE)を打ち破った際に犯した戦争犯罪のいかなる責任をも否定しているが、フェルナンド氏はこの政府キャンペーンと闘い続けている。

もうひとりの活動家、プラビーン神父に直接会ったことはないが、これまで彼がどれほど骨身を削り努力してきたか、よく知っている。人権侵害事件を調査して取りまとめたり、人びとが加害者の責任を要求できるようにすることで、被害者やその家族たちを支援してきた。

両氏は現在、悪名高きテロ防止法(PTA)を適用され、警察のテロ捜査局(TID)が拘束。起訴されないまま拘禁されている。3月13日に母親のバレンドラン・ジェヤクマリさんが逮捕されたことから保護観察処分となった13歳の少女、バレンドラン・ビシュシャイニさんの安全を確保しようとしたことがきっかけだ。母娘は、スリランカで広範に発生している強制失踪を公に抗議していた。

おりしもジュネーブで開催中の国連人権理事会で、同国がアカウンタビリティを実現してこなかったことに関する決議案が議論され、間もなく採択をめぐる投票が予定される中で起こったこの逮捕劇は、残酷な皮肉といえよう。人権理事会が2012年と13年に採択した決議にもかかわらず、同国政府は内戦時の人権侵害被害者のための確かな法の裁きに向けた、意義ある措置をなんら講じていない。それどころか、アカウンタビリティ実現を目指し活動する自国民に対し、攻撃キャンペーンを展開。政府に批判的な人権擁護・活動家やジャーナリスト、市民社会メンバーに対する脅迫や嫌がらせは日常茶飯事であり、フェルナンド氏のように世界に名の知れた個人はとりわけ敵視されている。

スリランカのG.L. ピーリス外相は3月5日の人権理事会における声明で、同国の「活気に満ちた」市民社会は「自由を享受している」と明言した。フェルナンド氏は、政府が自らの不誠実さをあらわにしたこの悲喜劇を笑ったことだろう。この声明のたった2日後に、著名な2人の人権活動家に対する信じがたい逮捕劇が起きたのだから。人権理事会での決議案の投票はこれからだ。

人権理事会理事国は、フェルナンド氏とプラビーン神父の即時釈放を強く求めるべきだ。同時にこのことが、スリランカにおける戦争犯罪のアカウンタビリティ確保に関する決議案の採択を左右することは決してないと、明確にすべきである。2人の逮捕劇は、世界中の国々がスリランカにおける人権保護のために立ち上がることがどれほど大切かを、改めて示したといえよう。

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