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結婚など人生を左右する選択について、ビルマの仏教徒の女性から自由が奪われるようなことがあってはならない。しかし、国家主義者の仏教僧ウィラトゥ師はまさにこの自由を取り上げてしまう法案をビルマ議会に提出した。

同師は本法案の議論のため、約5,000人の仏教僧をマンダレーに集めた。彼と支持者たちは昨年、仏教徒の結婚法改正を提案。仏教徒の女性が異教徒との結婚を望む場合は、両親の書面による許可と地元関係当局の承認を義務とした。更に、異教徒の男性は仏教に改宗しなくてはならない。規則に従わないカップルは破綻の宣告を受けるようなもので、夫は10年の禁固刑、そして全財産を没収される可能性がある。夫はまた、ビルマ刑法により訴追されることもある。

ビルマの社会福祉・救済再復興省とミャンマー女性問題連盟は、この法案を差別的として非難すべきだ。ビルマ憲法第22条はすべての国民が法の前に平等であり、性別、人種、宗教によって差別されないことを保障している。

ビルマ国民は、同法案が女性保護のためであるというウィラトゥ師の主張を鵜呑みにしてはならない。そしてこれは女性のみならず、宗教的・民族的少数派の権利さえも制限するものだ。今回の動きは、西部アラカン州で起きた残忍な民族浄化作戦、イスラム教徒が経営する店に対する不買運動(969運動)、アラカン州の一部のロヒンギャ民族に対する差別的なふたりっ子政策の流れの一環だ。

これまでにビルマの複数の女性権利団体が同法案を非難している。昨年こうした非難声明を出したいくつかの団体は、ウィラトゥ師とその支持者たちによる脅迫に直面することになった。

結婚法改正案は、今週開会した議会でテイン・ニュン(Thein Nyunt)下院議員が提出する見込みだ。ビルマ議会には、議員659名のうち女性はわずか20名しかおらず、これまで必ずしも女性権利保護に積極的ではなかった。しかし議会は、女性権利団体の声に耳を傾け、憲法の反差別条項に従い改正法案を棄却すべきだ。仏教徒の女性を子ども扱いし、結婚して家族を築く権利を制限し、ウィラトゥ師による民族・宗派間の憎悪キャンペーンに公式な承認を与えることは、ビルマにとって永続的な後退となりかねない。

ビルマと外交・貿易関係を築いている国際的な援助国・機関は、すべての女性と男性が相手を選んで結婚し、家族を築くという基本的な権利をビルマ政府が尊重するよう主張すべきである。

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