(ニューヨーク) - イラン政府は、非暴力の集会を行い、変革を要求する抗議デモの権利を尊重すべきだ、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日こう述べた。第100回目の世界女性の日にあたる2011年3月8日には、男女数千人が首都テヘランや主要都市でデモ行進を行い、女性に男性と完全に同等な法的権利を認めることなど多くの人が求めている民主改革の実施を求める予定だ。

イランの女性たちは現在、数多くの深刻な問題に直面し、法と政策の両面で様々な法的差別を受けている。結婚と離婚、親権、遺産相続に関して男性と平等の権利が認められていない。母が子の親権を保持できるのは子が7歳になるまでで、それ以降は自動的に親権が父親に移る。離婚した女性は再婚すると子の親権を失う可能性があるが、男性にその可能性はない。この他にも多くの法律で、公的場面での女性の役割が過小評価され、制限されている。例えば法廷での女性の証言には男性の半分の価値しかないとの条項が存在している。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの女性の権利に関する調査員ナディヤ・ハリーフェは「イランのフェミニストや活動家は自らの危険を顧みない勇敢な人びとだ。平等のために戦うことを決して止めない」と指摘。「これらの女性たちは、男女平等と民主改革への権利を要求している。イラン政府は一連の要求を受け止め、改革を求める人びとに暴力で応えるのはやめるべきだ。」

これまでイランの女性たちや活動家は、2006年に始まった「100万人署名運動」など数々のキャンペーンを通して、一連の差別立法の廃止を求めてきた。同キャンペーンは女性差別条項の見直しを求めるものだった。これに対し治安部隊や司法当局は、男性との権利の平等を求めたというだけなのに、女性活動家に脅迫やいやがらせ、尋問や投獄などをたびたび行ってきた。ヒューマン・ライツ・ウォッチはイラン国内での完全な男女平等を改めて求めると共に、イラン政府に対し、現時点で恣意的に拘禁されている女性活動家たちを釈放するよう訴えた。

ノーベル平和賞受賞者で弁護士のシーリーン・エバーディー(シリン・エバディ)氏は、予定されているデモを支持する声明を発表し「32年前の3月8日(世界女性の日)、[イラン]国営テレビで放送された声明が、女性公務員から最も基本的な権利の一つをはぎとった。奪われたのは服装を選ぶ自由だ。[中略][2011年3月8日]に、私たちは男性たちと共に街頭に出て、多くの人びとが求める広範な民主的改革への支持を表明する。なぜなら『権利の平等』は、民主的な体制下でのみ実現可能だからだ。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチはまたイラン政府に対し、有力な反体制派ザフラー・ラフナヴァルドとファーテメ・キャッルービー、またそれぞれの夫のミール・ホセイン・ムーサヴィーとメフディー・キャッルービーを直ちに釈放するよう求めた。当局はこの2組の夫婦の身柄を嫌疑のないまま、少なくとも、所在不明地に移送した2月24日以来拘束している。これに先立ち、治安部隊は反体制活動家とミール・ホセイン・ムーサヴィーとメフディー・キャッルービーを自宅軟禁していた。