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ビルマ:温家宝首相のビルマ訪問 人権問題を議題に

欠陥総選挙は、地域の安定を阻害

(ニューヨーク) 6月2日にビルマ訪問を予定している温家宝中国首相は、人権問題に懸念を表明すべきである。ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日、温家宝首相宛の書簡でこう述べた。ビルマでの人権侵害は、アジア域内の安全保障に長期的な悪影響を及ぼす。中国は、20年ぶりに行なわれる予定のビルマの総選挙に対し、影響力を行使できる立場にある。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、中国政府指導部に対し、ビルマの2010年総選挙を性急に承認しないように求めている。真の意味で開かれ、かつ包括的で公正な選挙プロセスを追求するようビルマ軍政に迫るよう求めた。

「ビルマ軍事政権のような自国民の人権を侵害した上で貧困に追い込む政権が隣国では、中国の国益は十分にはかなえられない」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理エレーン・ピアソンは述べる。「それにもかかわらず、中国政府のこれまでの政策は、ビルマ軍政の民政移管を要求するのではなく、軍政の存続を支援する傾向だ。」

中国政府は、主権国家の「国内問題」には不干渉方針をとっていると常々主張している。しかし、ビルマ国内の広範な人権侵害によってビルマ国内には不安定さが増しており、限界を超えて国境を超えてすぐに広がりかねない状況だ。そうなれば、難民流入や公衆衛生問題の深刻化、暴力といった面で、中国の安定に影響がでることは避けられない。こうした中国の国益問題も踏まえた上で、温家宝首相は、中国政府のビルマに対する「良い隣人」政策の一貫として、ビルマ軍政による人権侵害とその解決策に関する率直な会談を行うべきだ。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの書簡は、4つの問題に特に焦点をあてた。すなわち2010年総選挙、不安定な国境地帯の現状、アジア域内への公約と外交、貿易・投資関係だ。中国はビルマの最大の隣人であり、主要な貿易相手国かつ武器供給元であるほか、中国は、国際舞台で最も声高にビルマを支持する国家。ヒューマン・ライツ・ウォッチは中国に対し、より建設的な役割を担うこと、そして、ビルマに真の変化の訪れを促すために他国と協調するよう強く求めた。

「中国が理解すべきは、ビルマ軍政に対する中国の継続的な支援によってビルマ軍政の抑圧が加速される事実だ。これはアジア地域の安全保障に影響をもたらす」と前出のピアソンは述べる。「中国政府には、ビルマにおける前向きの変化をもたらすため、より建設的な役割を果たすチャンスがある。温家宝首相はそれをしっかりと活かすべきだ。」

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