ダニエル・ベケレ

2008 Morag Livingstone

(ニューヨーク) - たゆまず活動を続ける勇敢な4人の抜きん出た人権活動家に対し「アリソン・デ・フォージュ人権活動家賞」が授与される。ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日このように述べた。ビルマ、コンゴ民主共和国、エチオピア、ロシア出身のこの4人は、表現の自由の擁護や紛争下の女性の保護、また政治囚の悲惨な状況の改善のために、当局の脅迫や迫害をものともせず、勇気ある活動を続けている。

この賞はアリソン・デ・フォージュ博士にちなんで命名された。博士は約20年にわたってヒューマン・ライツ・ウォッチのアフリカ局のシニア・アドヴァイザーを務めていたが、2009年2月12日にニューヨークでの飛行機事故により非業の死を遂げた。デ・フォージュ博士はルワンダの人権状況、そして同国でおきた1994年の大虐殺およびその後の情勢に関する世界的な権威だった。ヒューマン・ライツ・ウォッチが毎年授与するこの賞は、博士が行った人権問題と人権擁護活動への傑出的で献身的な関与に敬意を表するものだ。

2009年の「アリソン・デ・フォージュ人権活動家賞」の受賞者は以下の通り。

「目覚ましい活動を行う今回の受賞者たちは多大な困難に日々直面しながらも、活動を献身的に担い、人権侵害の停止、そして、人権侵害の責任者たちの処罰を求め勇敢に戦い続けている」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのエグゼクティブ・ディレクターのケネス・ロスは述べた。「私たちは、アリソン・デ・フォージュ氏にちなんだこの賞を通して、各国で懸命に人権保護活動に取り組む受賞者を激励するとともに、こうした人びとの安全を守ることに貢献したいと考えている。」

こうした世界各国の人権活動家たちは、世界80カ国以上で調査を行うヒューマン・ライツ・ウォッチのスタッフにとって重要なパートナー。受賞者に対しては、シカゴ、ジュネーブ、ハンブルグ、ヒューストン、ロンドン、ロサンゼルス、ミュンヘン、ニューヨーク、パリ、サンフランシスコ、サンタバーバラ、トロント、そしてチューリッヒで開催される、毎年恒例の「2009年ヒューマン・ライツ・ウォッチ  ガラディナー」で、その栄誉がたたえられる。

ダニエル・ベケレエチオピア

ダニエル・ベケレ氏はエチオピアの著名な反貧困活動家で人権弁護士。同国では表現の自由への制約がどんどん厳しくなってきており、氏には政府からの強い圧力が加えられている。国内外で物議をかもした2005年エチオピア総選挙で、ベケレ氏は、有権者教育と共に投票を呼びかける草の根のキャンペーンを行うともに、選挙監視と投票後の和解にも取り組んだ。このため反政府暴力を扇動したとして逮捕され、2年6カ月投獄された。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、自分自身を大きな危険にさらしながらも、エチオピア政府に対して、すべての国民を保護する市民的・政治的権利を保障するよう求めるベケレ氏に敬意を表します。

ボーチービルマ

自らも投獄された経験を持つ元政治囚ボーチー氏はビルマ政治囚支援協会の共同創設者として、自らの政治的独立を求めて活動したために投獄されたビルマ国民の釈放を勝ち取るため、休むことなく活動し続けている。氏は過去20年以上にわたり一貫して勇気ある行動をとり、自分自身や政治囚の体験を人々に向けて語るとともに、ビルマ軍政の行う数々の人権侵害を明らかにしてきた。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ビルマ国内での弾圧を告発すると同時に、軍事政権に敢然と立ち向かう人々に代わってアドボカシーに果敢に取り組むボーチー氏に敬意を表します。

エレナ・ミラシナロシア

エレナ・ミラシナ氏は、ロシアで最も著名な独立系新聞ノーヴァヤ・ガゼータ紙の調査報道担当の有力記者として、国内の人権侵害の状況を明らかにし、頻発する政府の汚職を暴いてきた。ロシア政府は政権に批判的な人々を力でもって沈黙させ、人権侵害を隠そうとしているが、ミラシナ氏は批判の手を緩めることなく、強制失踪や超法規的処刑、拷問などについて人々の経験と声を発表し続けている。また先輩記者のアンナ・ポリトコフスカヤ氏が2006年に殺害された事件についての調査を続けており、政府のトップレベルにまで捜査の手が及ぶよう要求し続けている。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、深刻な問題を抱えるロシアの人権状況に勇気を持って立ち向かうミラシナ氏に敬意を表します。

マチルド・ムヒンドコンゴ民主共和国

マチルド・ムヒンド氏は、女性の人権団体であるオラム・センターの代表として、コンゴ民主共和国に固有の差別的状況の蔓延やすさまじい性暴力に女性たちが立ち向かえるようになることを目的にエンパワーメント活動を行っている。また国内の女性団体をとりまとめて世論を喚起し、性暴力に関する包括的な法律の制定も実現している。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、世界から忘れられることが多いコンゴ東部に住む女性たちの安全と健康、権利を擁護するために、絶えず努力を続けてきたムヒンド氏に敬意を表します。