(東京)-日本の新政権は、ビルマでの人権状況の促進に向け、対ビルマ政策の徹底した見直しを行うべきである。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、本日、新たに外務大臣に就任した岡田克也大臣宛ての書簡でこのように述べた。

「日本政府は、過去にも、人権を促進すると約束してはきた。しかし、具体的で目に見える行動に移すことには消極的だった」ヒューマン・ライツ・ウォッチの東京ディレクター土井香苗は述べた。「新政権は、人権を日本外交の柱のひとつとするべき。その第一歩として、ビルマ問題に取り組むことを提案したい。」

書簡の中で、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、これまでの日本政府の対ビルマ政策は対話と援助が中心だった、と述べた。しかし、こうした政策は、人権状況の改善にあまり寄与してこなかったし、場合によっては逆効果のこともあった。ビルマで目に見える変化をもたらすため、融和的な姿勢の対話によりビルマ政府高官たちの計画を変えられるのではないかという希望的観測は排除し、外交と制裁と援助をより効果的に組み合わせた政策を立案するよう、書簡の中で求めた。

外交に関し、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、日本政府に対し、「ビルマ連絡調整グループ(ビルマ・コンタクト・グループ)」または類似の多国間グループを設置して会合を行い、米国と緊密に協働しつつ、様々な問題に関してビルマ政府との交渉のあり方を定期的に協議することを提言。こうした協議の場は、中国、インド、タイ、インドネシア、そのほかの国の見解や政策を集約する機能を果たすとともに、ビルマが関係国間での対立を煽ることで得ている利益の範囲を次第に狭めていくのに有益であろう。

制裁に関しては、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、米国や欧州連合(EU)、スイス、オーストラリア、カナダなどすでに金融制裁を実施している諸国に続き、日本政府においても、ビルマの高官たちに対する圧力を最大限のものとするための協調アプローチの一貫として、金融制裁を導入することを提言。

人道援助について、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、日本政府に対し、ビルマの深刻な人道的なニーズに対処するために人道援助を増額すべきと述べた。一方で、ビルマ政権が、石油、ガス、宝石、材木などにより得ている巨額の収益を自国民のために使うべきであると認識するべきであるとも述べた。ドナー国は、人道援助の実施に際して、透明性とアカウンタビリティの重要性を強調すべきであり、たとえば既存の腐敗した権力構造ではなく、市民社会を強化し、一般国民の要望とニーズに対応したアプローチの重要性を強調すべきである。

「これまで長年にわたり、日本政府は、ビルマ軍事政権の高官たちに圧力をかけることには及び腰だった」土井は述べた。「岡田外務大臣は、今こそ、原理原則に則ったより強力な外交アプローチを検討するべきだ。各国が協調して対象をしっかり絞った形でのプレッシャーをかければ、ビルマでの人権状況の改善をもたらすことは可能だ。」