The village of Um Zaifa in Darfur burns after an attack by government-sponsored militia on December 12, 2004.

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法による正義の実現に向け、画期的な決定が下りました。国際裁判所(ICC)は、3月4日、スーダンのオマル・アル・バシール大統領に対して、人道に対する罪と戦争犯罪の容疑で、逮捕状を発行しました。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、スーダン政府軍とジャンジャウィード民兵が2004年以来ダルフールで犯している残虐な犯罪の実態を明らかにして報告書を多数発表。バシール大統領などの残虐行為の責任者たちに対する法の裁きを、長らく求め続けてきました。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、4年前に、国連安保理がダルフールでおきている犯罪を国際刑事裁判所に捜査・訴追させるという決定をした際にも重要な役割を果たしました。
 
国際刑事裁判所の検察官がバシール大統領への逮捕状を請求したことを発表してから何ヶ月間にもわたり、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、国連安保理のメンバー国に、訴追停止の要求に屈しないよう強く要請してきました。スーダンの友好国が、国際刑事裁判所によるバシール大統領の訴追を阻もうとロビー活動を繰り広げているためです。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、世界各国の国連代表部と何度も会合を持ち、こうした訴追を阻む動きを止めるため、活動してきたのです。
 
バシール大統領に対する国際刑事裁判所の逮捕状発行で、和平交渉が頓挫するとの主張もあります。しかし、セルビアやリベリアの例が示すとおり、国際裁判所に訴追されることで残虐な指導者たちの支持基盤が弱まることで、かえって、恒久的な和平の実現が促進されると言えます。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ダルフールの一般市民の安全と保護を実現するため、これからもしっかりとモニターを続けて参ります。