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  ボスニアのセルビア人元政治指導者、ラドバン・カラジッチがセルビアで逮捕され、旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)で裁きを受けるため、ハーグに移送されました。

 本逮捕はEUからの強い圧力にセルビアが応じた結果実現しましたが、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、EUのこうした政策の形成に大きな役割を果たしました。EUは、逃亡中の重要人物カラジッチ及び同じくボスニアのセルビア人武装勢力の元軍司令官ラトコ・ムラディッチをセルビアが逮捕するまで、セルビアのEU加盟の交渉は始めないと主張していました。この2名は、1990年代のボスニア紛争の際、スレブレニツァ陥落後に行われた8千人にものボスニア人男性及び少年の大虐殺や、サラエボ包囲砲撃等の残虐な戦略を命じたことにより、集団殺害(ジェノサイド)罪、戦争犯罪、人道に対する罪に問われていました。

 セルビアがロシアの同盟国となることをおそれ、これら容疑者逮捕を条件とすることを撤回しようとするEU加盟国が多数派となりつつありましたが、ヒューマン・ライツ・ウォッチはEUと集中的に協働し、またオランダ、ベルギー政府も主張を曲げませんでした。6月、セルビアの親EU派の連立政権が総選挙で勝利を収めたことにより、カラジッチの逮捕と引渡しが実現し、EUの原則をまもった立場が報われる事になりました。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、セルビアにムラディッチの逮捕も要求するよう、引き続きEUに働きかけています。

 ヒューマン・ライツ・ウォッチはICTYの設立に重要な役割を果たしました。また、ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査が、主要な容疑者たちの訴追を実現しました。

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