今月初め、北京市当局は出稼ぎ労働者を雇用する建設会社を対象に新しい労働基準を発表。現在出稼ぎ労働者数は約200万人にのぼると見られ、2008年オリンピックを前に北京市を生まれ変わらせるため、厳しい労働環境を強いられています。
今回の改善措置は、ヒューマン・ライツ・ウォッチが、中国の出稼ぎ建設労働者に対する賃金未払いや危険な労働環境、そして苛酷な生活状況の他、多数の労働者の搾取問題についての報告書を発表した数週間後に取られました。この報告書での問題提起を受け、市当局が、雇用主に対し、労働者の居住施設の改善、月毎の賃金の支払い、適切な安全装具の支給などを、義務付けるに至ったことは明らかです。
今回のこの措置は、独立した労働組合の結成や悪徳雇用主の訴追などの点でまだ不十分ではありますが、状況改善に向けた確実な前進です。2008年オリンピックを控え、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、これからも中国での深刻な人権問題の解決に取り組んで参ります。