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人権ウォッチ:クワッド首脳は新型コロナウイルス感染症関連の知財保護義務免除に支持を

首脳会合をワクチンの不公平に対処する重要な機会に

クワッド(Quad)4ヵ国(米国、日本、インド、オーストラリア)首脳は、9月24日にワシントンD.C.で初の首脳会合を対面で実施します。世界的に見ると新型コロナワクチンの不足は危機的状況で、ワクチンへのアクセスに深刻な不平等が生じています。世界保健機関(WHO)によると、全世界では50億本を超えるワクチンが投与されていますが、その4分の3の供給先はたった10ヵ国です。豊かな国のあいだで3度目のブースター接種が検討される一方、アフリカ大陸で2回目の接種を完了した人びとはわずか2%です。

今回の首脳会合に先立ち、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、日本のNGOと連名で、世界貿易機関(WTO)で提案されている、TRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)の知財保護義務の免除―いわゆるウェイバー提案―を公けの場で明確に支持するよう、4ヵ国の首脳に呼びかけました。2020年10月、インドと南アフリカは、世界にワクチン接種が行き渡るまでの期間について、新型コロナワクチンおよび関連製品に対するウェイバー提案を行ったのです。知財保護義務が免除されれば、低所得国でのワクチン接種は加速し、その公平性も高まるでしょう。

米国やオーストラリアなど100ヵ国以上の政府もこのウェイバー提案を支持しています。茂木敏充外務大臣も、日本がこのウェイバー提案に反対しないと表明しました(ただし支持はしませんでした)。

しかし、ドイツ、英国、スイスを中心とした一握りの高所得国のせいで、この提案は足踏みしています。製薬会社は、こうした政府に対して、ウェイバー提案に反対するロビー活動の手を休めてはいません。こうした豊かな国の政府は、救命医療を取引可能な商品として扱い、WTOでの力を利用して、健康への権利を製薬業界と貿易の利益に従たるものとして扱っているのです。

4ヵ国首脳は立ち上がり、今週の首脳会合でウェイバー提案を支持する共同声明を発表し、命を救える保健医療製品へのアクセスでの深刻な世界的不平等に対処すべきです。新たな変異株が出現し、ブースター接種の繰り返しが必要であることを示すエビデンスもあるなかで、知財保護義務の一部免除という今回のウェイバー提案は、各国政府が新型コロナウイルス感染症への長期的な対応に備えるためにも有効といえます。

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