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School workers load food packs as they distribute meals to students at Fairfield Middle School in Richmond, Virginia, March 18, 2020. © 2020 AP Photo/Steve Helber

(ニューヨーク)-各国政府は、すべての人の健康に生きる権利(健康権)と人権を最優先して、COVID-19パンデミックに対応すべきだ、と本日発表の報告書内でヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。

報告書「COVID-19対策における人権の側面」(全22ページ)は、新型コロナウイルスの発生に起因した各国政府の人権に対する義務および懸念について、これまでの対策例も含め、分析したもの。報告書内には、健康権、表現の自由、平等権、移動の自由など基本的な人権を尊重しながら、いかにウイルスの流行に対応してゆくべきか、各国政府に向けた提言が含まれている。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのケネス・ロス代表は、「各国政府が公衆衛生対策を強化・拡大し始めるなか、すべての人の権利を放棄するのではなく、再確認しなくてはならない理由をCOVID-19のもたらす脅威が浮き彫りにした」と指摘する。「それは政治よりも科学を優先すること、もっとも危険にさらされている人びとをケアし、検閲を避け、封鎖措置を限定し、かつ効果的な対処に不可欠な公共の信頼を築くことを意味する。」

各国政府は、移動および個人の自由に対する全面的かつ過度に広範な規制を避け、自発的な社会的距離の確保(ソーシャルディスタンシング)に依拠すべきだ。強制的な規制に移行するのは、それが科学的に正当かつ必要であり、その影響を受ける人びとを支援するシステムが確保できる場合のみとすべきだ。隔離や封鎖が実施された場合、政府は食糧、生活飲料水、医療、介護支援へのアクセスを確保する義務がある。 また、刑務所や拘置所、移民収容センターに収監されている人びと、高齢者、および施設に入所している障がい者をめぐる懸念にも対処しなくてはならない。

多くの国がリスクに直面する集団を保護し、病気の伝染を抑えることができておらず、COVID-19の発生で公衆衛生上、社会福祉上の保護システムをめぐる欠点が浮き彫りになった。 各国政府は、市民がCOVID-19のリスクや感染回避の手立てを確実に知ることができるよう、情報キャンペーンを強化する必要がある。また、移民や庇護希望者、難民を含む誰もが不可欠な医療にアクセスできるようにしなければならない。低賃金労働者をターゲットにした救済措置や、特に影響が懸念される女性と少女のための対策も求められている。学校が一時閉鎖される場合は、子どもの教育を受ける権利を保障するため、具体的な措置を講じる必要がある。

12月に中国の武漢市で初めて新型コロナウイルスが特定されて以来、ヒューマン・ライツ・ウォッチは世界各地で、関連する人権侵害を公表してきた。たとえば中国政府の権威主義的な対応策米国シリアイランの受刑者および被拘禁者が直面するリスク、高齢者への影響英国の学校閉鎖ベネズエラの医療システムの崩壊などだ。

ロス代表は、「COVID-19と闘う最善の方法は、公衆に対して非常に誠実になることであり、感染を抑えるのに必要な場合にのみ移動を制限し、危険ともっとも向き合う人びとの対応を優先することだ」と述べる。 「新型コロナウイルスは国境を気にも止めず、私たちの健康の程度と隣に立っている人のそれが運命を共にしていることを知らしめた。急速な感染の広がりが、世界は繋がっていること、そして共有する責任の重さを私たちに思い起こさせることになった。」

COVID-19に関する詳細はこちら:
https://www.hrw.org/tag/coronavirus

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