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東京新聞・中日新聞 2020年2月21日 © 東京新聞・中日新聞

先週二月十四日のバレンタインデー。たくさんのチョコレートが売られていた。昨年のこの日、日本各地で訴訟が提起された。同性婚を認めない民法などの規定は違憲だとして、同性カップル十三組が一斉提訴したのだ。

日本の現在の結婚制度は、すべての人に開かれてはいない。結婚できるのは男女のカップルだけ。つまり、結婚は異性愛者用の制度なのだ。

振り返ればオランダが世界で初めて同性婚を認め、婚姻の平等を達成したのが二〇〇一年。以来三十近い国が婚姻の平等を認めている。オランダでは、若者たちは異性婚しか認められなかった時代があったと聞くとむしろ驚くという。

日本の各種調査では、性的少数者と答える人の割合は3~10%程度。二十人に一人くらいだ。

私の子どもは全部で約三十人の小さな保育園に通っている。ゼロ歳から六歳までの子どもたち。みんなに未来がある。でも、この中に結婚制度から排除される子どもがいるかもしれないと思うとき、私の心は重くなる。

自分の子どもが結婚できない制度をよしとする親はいないだろう。とすれば、一部の子どもたちの未来から結婚を奪う今の制度を変えることは親世代の責任ではないか。結婚の自由をすべての人に認める国、日本もその列に加わるべきだ。

(ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表)

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